【2011年度】慶應義塾大学経済学部の小論文解答例「多文化共生」

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平成23年度【2011年度】慶應義塾大学経済学部の小論文解答例「多文化共生」です。

【問題】現代社会で起こっている解決すべき課題の、具体例を一つあげ、それに対処するために大学で学んだことがどのように役に立つと考えられるかを、600字以内で述べなさい。
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【ある人の例】多文化共生に関する大学入試小論文解答例

現在のグローバル化における課題は在京の子供たちへの教育支援である。しかしながら、在京枠制度のある都立高校でも非卒業率は減少していない。この問題の解決には「多文化共生」を学び、実践することが必要といえる。

現在、日本には外資系企業や大学などの教育機関に在籍する人と特定技能人材などの労働を目的とする人々が居住している。彼らの国籍は178か国に及ぶ。文化的にも経済的にも様々な背景を持つ人々がいるのだ。短期居住する人が多くいる一方で、定住する人も増加傾向にある。一定の日本語の能力やビジネススキルを持ち、五年以上の就労実績で特定技能者2号という在留資格を取得できる。これは2019年の入国管理法の改正によるもので、日本での定住、家族の帯同が認められる。定住する彼らの子供たちは、日本で教育や日本語支援を適切に受けることによりグローバル人材となり今後、国や地域の発展を支える存在となりうる。そして、支援を受けるだけでなく共に暮らす地域への積極的な関りも生まれてくるのではないだろうか。日本語が話せない子供たちをそのまま放置すると、学校にいけない、就職できないということが起きる。これは子供たち限らず、社会にとっても大きな損失となるのだ。

真のグローバル化に向かうためには、お互いの多様性を認め理解し合い共存する「多文化共生」が重要である。そのために大学で学ぶ多文化コミュニケーションを役立てたいのである。

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【添削・アドバイス】多文化共生に関する大学入試小論文解答例

1.導入部分の具体性と明確さ
最初の一文「現在のグローバル化における課題は在京の子供たちへの教育支援である。」は、文脈が少し曖昧です。「在京の子供たち」では対象が狭く感じられるため、「外国にルーツを持つ子供たち」などと表現し、具体的に課題を示しましょう。

例:「現在のグローバル化において、日本が直面する課題の一つは、外国にルーツを持つ子供たちへの教育支援である。」

2.問題提起を明確に
「在京枠制度のある都立高校でも非卒業率は減少していない。」は、具体例として良いですが、次の文とのつながりがやや弱いです。「非卒業率が減少しない背景」や「この問題がどのような影響を及ぼしているか」を簡潔に補足すると良いでしょう。

例:「例えば、在京枠制度のある都立高校においても、外国にルーツを持つ生徒の非卒業率は依然として高いままである。この背景には、日本語能力の不足や、文化的な違いによる孤立が挙げられる。」

3.統計データや具体例の活用
「日本には外資系企業や大学などの教育機関に在籍する人…」の部分は情報量が豊富ですが、統計データや具体例が多く、焦点が少し散漫になっています。「定住者の子供たちへの教育支援」に関する課題を中心に絞り込みましょう。また、数字や制度の説明が続くため、読み手が内容を追いにくい可能性があります。

例:「現在、日本には178か国から来た多様な背景を持つ人々が居住しており、短期滞在者だけでなく、2019年の入国管理法改正により、特定技能2号を取得して定住する人も増加している。彼らの子供たちが適切な教育や日本語支援を受けることは、日本の社会における貴重なグローバル人材の育成につながる。一方で、支援が不足した場合、学校への不登校や将来的な就職難といった問題が生じる可能性がある。」

4.「多文化共生」の具体例を補足
「真のグローバル化に向かうためには…」と述べていますが、具体的に何を指すのかを補足すると、より説得力が増します。たとえば、「多文化共生」の取り組みとして、言語教育のモデルや地域社会での活動例を挙げると良いでしょう。

例:「そのためには、地域社会が主体となって行う日本語教室や、多文化共生を目的とした交流イベントの開催が重要である。また、学校現場では、教員や生徒が多文化理解を深めるための教材やプログラムを導入することも求められる。」

5.結論部分で学びと目標を明確化
「大学で学ぶ多文化コミュニケーションを役立てたい」と述べていますが、どのように役立てたいのか、具体的なビジョンを示すと印象的です。

例:「大学で多文化コミュニケーションを学び、多様な文化背景を持つ子供たちが教育を通じて社会で活躍できる環境づくりに貢献したい。さらに、地域社会と連携し、多文化共生の価値を広める活動を実践していきたいと考える。」

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【全体修正案】多文化共生に関する大学入試小論文解答例

現在のグローバル化において、日本が直面する課題の一つは、外国にルーツを持つ子供たちへの教育支援である。例えば、在京枠制度のある都立高校においても、外国にルーツを持つ生徒の非卒業率は依然として高いままである。この背景には、日本語能力の不足や、文化的な違いによる孤立が挙げられる。この問題を解決するためには、社会全体が「多文化共生」を学び、実践することが不可欠である。

現在、日本には178か国から来た多様な背景を持つ人々が居住しており、短期滞在者だけでなく、2019年の入国管理法改正により、特定技能2号を取得して定住する人も増加している。彼らの子供たちが適切な教育や日本語支援を受けることは、日本の社会における貴重なグローバル人材の育成につながる。一方で、支援が不足した場合、学校への不登校や将来的な就職難といった問題が生じる可能性がある。

真のグローバル化に向かうためには、お互いの多様性を認め、理解し合い共存する「多文化共生」が重要である。そのためには、地域社会が主体となって行う日本語教室や、多文化共生を目的とした交流イベントの開催が必要である。また、学校現場では、教員や生徒が多文化理解を深めるための教材やプログラムを導入することも求められる。

私は大学で多文化コミュニケーションを学び、多様な文化背景を持つ子供たちが教育を通じて社会で活躍できる環境づくりに貢献したい。さらに、地域社会と連携し、多文化共生の価値を広める活動を実践していきたいと考える。

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