高齢化社会についての大学入試小論文解答例

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高齢化社会の影響についての大学入試小論文解答例【全学部共通】です。

【問題】老年人口割合が高くなることで社会に与える影響についてのあなたの考えを述べなさい。

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【ある人の例】高齢化社会の影響についての大学入試小論文解答例

私は、老年人口割合が高くなることでの影響はまず年金補償制度の破綻である。現在の年金付与の財源は国民の税金で賄われている。これは65歳以上の年金受給者が増加するにつれて、税金を納めている働き手の個人の負担が重くなるということだ。個人の負担が重くなることで働き手がやる気を失い社会経済の発展が後退していく可能性がある。

次に、介護におけるお金の負担の割合が増加することを挙げる。これも前述したように、税を納める働き手に負担がかかる。さらに介護士のような医療機関に勤める人の労働的負担が増大し、将来を担うであろう人の妨げになる。

3つ目には、各地域における過疎化の進行を挙げる。現在は東京一極集中といわれるように、全国の地域から東京などの有名都市に移住をする人が増えている。その現象に加え、地域の過疎化が進んでいることは、より一層地域格差が生じ、過疎化が進行してしまう。

そして最後に日本の技術進歩の後退である。老年人口割合が高くなることで、近年進化しつつあるAIのような技術を扱う人が減り、世界の経済発展に遅れをとってしまう。

これらの4つの中から、各地域の過疎化の進行に対する対応策を考える。過疎化が進むことでの影響は前述した通りであり、深刻な問題である。そこで私は過疎化の進行を止めるのではなく、過疎化を活かした、高齢者支援の方法を提案する。例えば、高齢者に向けたインターネット利用講座や健康的な運動の方法の推進のようなことだ。このことは私が提案した他の具体例の対策にもつながると考える。

インターネット利用講座により、AIなどの技術進歩に対応し、健康的な運動の方法を推進することで、長く健康に働くことができ、働き手不足解消にも繋がる。単に老年人口割が高くなることに対して悲観するのではなく、良い面での見方をすることも大切であると考える。

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【添削・アドバイス】高齢化社会の影響についての大学入試小論文解答例

1.構成を明確化する
現在の文章は、一部で話題が飛んでいる印象があります。以下のように段落ごとに分けて整理するといいです。

イントロダクション: 問題の背景を簡潔に説明(例: 老年人口割合が高くなる背景や問題の重要性)。
問題点の列挙: 4つの問題点を簡潔かつ均等に説明。
重点問題と提案: 過疎化に焦点を当て、その具体的な対応策を説明。
まとめ: 提案の効果や、全体的な視点の重要性を述べる。

2.主張を補強する
各問題点について、より具体的なデータや根拠を加えると説得力が増します。

例:年金補償制度の破綻について
「現在の65歳以上人口は全人口の約29%(令和4年度)であり、今後さらに増加する見込みです。」
「例えば、2022年時点で日本の税負担率は約44%ですが、年金の維持にはさらなる増税が必要とされています。」

例:過疎化について
「2020年の国勢調査によると、過疎地域の人口は全体の約30%を占めており、多くの地域で人口減少が進行しています。」

3.論理の一貫性を保つ
提案の部分で「過疎化を止めるのではなく活かす」という視点はユニークで良いですが、その後の説明がやや抽象的です。具体例を増やし、提案の妥当性を補強しましょう。

具体例
・インターネット利用講座:「過疎地域では、地域の公民館や学校を活用し、地元自治体や企業と連携した講座を定期開催する。これにより、高齢者がオンラインショッピングや医療予約を通じて便利な生活を実現できる。」
・健康的な運動の推進:「地域のスポーツクラブやNPO団体を通じて、ウォーキングイベントや体操教室を定期的に開催することで、高齢者の健康維持と地域の活性化を図る。」

4. 文法や表現の改善
いくつかの表現を修正することで、文章がより洗練されます。
■修正例
・原文「これは65歳以上の年金受給者が増加するにつれて、税金を納めている働き手の個人の負担が重くなるということだ。」
→修正例「これは、65歳以上の年金受給者の増加に伴い、納税者1人あたりの負担が増加することを意味する。」
・原文「将来を担うであろう人の妨げになる。」
→修正例「将来を担う世代の労働意欲を損なう可能性がある。」

5.まとめを強化
最後に提案の意義や文章全体のテーマを再度強調するといいです。

例:「これらの提案を通じて、老年人口割合の上昇がもたらす問題を単なる課題と捉えるのではなく、社会全体で共有し、解決策を模索する機会とすることが重要です。視点を広げ、前向きな取り組みを続けることで、より持続可能な社会の実現に近づけると考えます。」

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【全体修正案】高齢化社会の影響についての大学入試小論文解答例

日本は世界でも例を見ないスピードで高齢化が進んでいる。2023年現在、総人口に占める65歳以上の割合は約29%に達しており、今後もさらに増加する見通しである。このような老年人口割合の上昇は、社会全体に多大な影響を与える。以下にその主な課題を挙げ、対応策を検討する。

まず、年金補償制度の持続可能性が危機に直面している。現在、年金給付の財源は税金や保険料で賄われているが、受給者の増加に伴い、働き手一人あたりの負担が増加する。その結果、働き手の経済的負担が大きくなり、労働意欲が低下することで、社会経済全体の発展が停滞する可能性がある。

次に、介護分野での経済的および労働的負担の増大が挙げられる。高齢化に伴い介護サービスの需要が増加しているが、介護職員の不足や労働環境の厳しさが問題となっている。これにより、現場の負担が増大し、将来を担う世代が介護職を敬遠する状況が生まれている。

さらに、地方における過疎化の進行が深刻な問題となっている。東京一極集中の傾向が続く中、地方の人口減少が加速し、地域経済や社会基盤の維持が困難になっている。この地域格差の拡大は、地方の持続可能性を揺るがす重要な課題である。

最後に、技術進歩の停滞も懸念される。高齢者が労働市場の大半を占める状況では、AIやIoTなど先端技術を活用できる人材が不足し、国際競争力の低下を招く可能性がある。

これらの課題の中で特に注目すべきは、地方の過疎化である。過疎化は地域格差の拡大や経済停滞を引き起こすが、これを逆手にとり、課題を活かす形での解決策を提案する。たとえば、高齢者向けのインターネット利用講座を地域で開催することが考えられる。この講座を通じて、高齢者がオンラインサービスやデジタル技術を活用できるようになると、日常生活の利便性が向上するだけでなく、社会参加の機会も増える。また、健康的な運動の推進を地域イベントとして実施することで、高齢者の健康維持に寄与し、医療費の削減や介護負担の軽減につながる。

これらの取り組みは、技術進歩の遅れや働き手不足といった他の課題にも間接的な解決策を提供する可能性がある。たとえば、インターネット講座を通じて高齢者がITスキルを習得すれば、リモートワークや地域産業のデジタル化に貢献することも期待できる。

単に高齢化を課題と捉え悲観するのではなく、その中に潜む可能性を見出し、社会全体で前向きな取り組みを進めることが重要である。このような視点を持つことで、日本社会は高齢化という「試練」を「成長」の契機に変えることができると考える。

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