現代社会においてSNSは、個人の生活や社会全体に深く浸透している。瞬時に情報を共有でき、人と人とのつながりを広げる一方で、誹謗中傷やフェイクニュースの拡散、依存による心身への悪影響といった問題も浮き彫りになっている。SNSの功罪を冷静に見つめ、私たちがどのように向き合うべきかを考えることは、今後の社会を生きる上で重要な課題である。
大学入試の小論文で「SNSの功罪・SNSとの付き合い方」の書き方のポイント



1. 問題意識を明確にする
単に「SNSは便利」「SNSは危険」ではなく、現代社会においてなぜSNSが重要な論点になるのかを冒頭で示す。
例:「SNSは日常生活に不可欠な存在となりつつある一方で、誹謗中傷や依存といった問題も指摘されている。」
2. 功罪をバランスよく扱う
- 功(利点):情報収集の速さ・人とのつながり・表現の場・災害時の有用性など。
- 罪(問題点):依存・フェイクニュース・誹謗中傷・プライバシー流出・孤立感など。
→ 一方だけに偏らず、両面を提示することで客観性を出す。
3. 自分の考えを展開する
単なるまとめにせず、自分なりのスタンスを明確にする。
例:「SNSを全面的に否定すべきではないが、主体的な利用態度が求められる。」
4. 「付き合い方」の提案に具体性を持たせる
- 「時間を区切る」「フェイクニュースを見極めるためのメディアリテラシー教育」「匿名性と責任のバランス」など。
- 抽象的に「適切に使うべき」と言うだけでなく、実践的・具体的な工夫を示すと評価が高い。
5. 論理の流れを意識する(構成例)
- 導入:SNSが社会に与える影響を提示
- 功:利点を例を挙げて述べる
- 罪:問題点を具体例とともに示す
- 考察:功罪を踏まえて、自分の立場を明確にする
- 結論:望ましいSNSとの付き合い方を提案する
6. 表現上の注意
- 「~と思う」よりも「~である」「~と考える」と断定的に書くと小論文らしい。
- 主観だけでなく、社会全体の課題を意識する。
- 時事的な例(例:若年層のSNS依存、フェイクニュース問題、学校でのスマホ使用制限など)を簡潔に触れると具体性が増す。
【ある人の解答】SNSの功罪・SNSとの付き合い方について
価値観の多様化が進む現代において、多くの人々が「本当に自分はこれでよいのか」という不安を抱えるようになった。その背景には、従来のように社会全体という抽象的な他者から一律の承認を得ることが難しくなり、代わりに身近な具体的他者からの承認に依存せざるを得なくなったという状況がある。では、この課題をどのように解決すべきだろうか。
具体的な他者に意見を発信すれば、自分と似た価値観を持つ人々から共感を得られやすく、安心感を抱くことができる。しかしその一方で、同調的な意見が過度に集まることにより、自らの見解が常に正しいと錯覚し、誤りに気づく機会を失う危険性がある。自己を相対化するためには、多様な他者からの評価や視点を積極的に取り入れる必要がある。
そのための一つの方策として、インターネット上に形成される趣味のコミュニティへの参加が挙げられる。趣味が共通していれば参加への心理的ハードルは低く、互いに承認を与え合う環境が生まれやすい。加えて、同じ趣味を共有していても、その取り組み方や価値の置き方は人によって異なるため、同質性に埋没することなく多様な価値観に触れる契機となる。そこでは、単なる「いいね!」の獲得に依存するのではなく、自分の存在が誰かに役立っているという自己有用感を得ることが可能となる。
以上のように、価値観が多様化する現代における承認不安の解決策は、共通の関心を媒介としたコミュニティに参加し、異なる価値観を受容しながら自己有用感を育む仕組みを築くことである。承認欲求を満たすだけでなく、自己の価値や幸福を自らの手で追求しつつ、他者に必要とされていることを実感することが、これからの社会を生き抜く上で欠かせない姿勢だと考える。
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