再生可能エネルギーについての大学入試小論文解答例です。
バイオマスは、動物・植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源のことです。例として、木材、海草、生ゴミ、紙、動物の死骸・ふん尿、プランクトンなどがあります。ただし、石油などの化石燃料を除かれていることが前提です。
【ある人の例】再生可能エネルギーについての大学入試小論文解答例
地球温暖化が進み続ける事により、水不足による農作物生産の減少と食料不足や、気候変動による生物多様性の変化や健康障害など様々な悪影響が予測される。このような地球温暖化に対処する方法は、化石燃料から再生可能エネルギーへの完全乗り換えであると私は考える。
現在、図から読み取れるように、既に再生可能エネルギーへの転換など各国で地球温暖化対策が行われているが、依然として火力発電など、化石燃料を主資源としている国も少なくない。再生可能エネルギーの課題である、高コストで天候に左右されやすいことなどが大きな足かせとなっているからである。
私は特に、バイオマス燃料の普及が、地球温暖化の抑制だけでなく、再生可能エネルギーの課題解決につながると思う。バイオマス燃料は、廃棄物や木材によって得られるため、さらに、加工過程を少なくすることが可能な材料の発見や材料として使用する食料などの範囲拡大をめざす事により、低コスト、安定した資源確保の実現が可能になるだろう。
バイオマス燃料に限らず、再生可能エネルギー全てにおいて開発研究が進めば、化石燃料に頼っている現状を変え、地球温暖化の抑制につながると考える。
【アドバイス】再生可能エネルギーについての大学入試小論文
1.導入部分の明確化
現在の状況と問題提起をより明確に伝えると、主題を理解しやすくなります。
例えば
「地球温暖化が進むことで、世界規模で農作物の生産減少や生物多様性の喪失が進行し、人々の生活や健康に深刻な影響を及ぼす可能性が高まっている」
といった具体例を含めると良いでしょう。
2.因果関係の整理
「図から読み取れるように」とある部分は文章の中で唐突に感じられるため、少し説明を補うと良いです。
例:「世界各国では再生可能エネルギーへの移行が進んでいるが、依然として化石燃料に大きく依存している国も少なくない。これは、再生可能エネルギーのコストの高さや安定性の欠如が課題となっているからである。」
といった形で、状況と課題を明確に分けて記述すると流れが良くなります。
3.具体例の追加
バイオマス燃料の特徴やメリットについては説得力がありますが、具体的なデータや実例(例えば「日本では木材チップを利用した発電が普及しつつある」など)を追加すると、信憑性が増します。
4.締めくくりの強化
最後の段落で、「再生可能エネルギー全般の研究が進むことで現状を変えられる」としていますが、やや抽象的です。
「バイオマス燃料の普及が進めば、廃棄物削減や地域経済の活性化といった副次的な効果も期待できる」
など、具体的な期待効果を挙げると、読者の共感を得やすいでしょう。
5.語句の洗練
「現在、図から読み取れるように」という表現は、やや口語的に感じられるため、「図表に示されるように」や「現状のデータによれば」といった形式の方が文章全体の調子に合うと思います。
【全体修正案】再生可能エネルギーについての大学入試小論文
地球温暖化の進行により、農作物の生産減少や食料不足、生物多様性の喪失、健康被害など、人類を取り巻く環境に深刻な影響が及ぶと予測されている。これらの問題に対処するためには、化石燃料の使用を削減し、再生可能エネルギーへの全面的な移行を推進することが必要である。
現在、各国で再生可能エネルギーへの転換が進められているが、依然として火力発電など化石燃料に大きく依存する国も多い。その主な原因は、再生可能エネルギーが高コストであることや、天候に左右されやすいことなど、技術的・経済的な課題が存在するためである。図表に示されるデータからも、この傾向が明確に読み取れる。
こうした状況を打開する方法として、私は特にバイオマス燃料の普及に注目している。バイオマス燃料は、廃棄物や木材など再生可能な資源から得られるエネルギーであり、廃棄物削減や地域経済の活性化といった副次的な効果も期待できる。また、加工過程を簡略化する新技術の開発や、使用可能な資源の範囲拡大を進めることにより、低コスト化と安定的な資源供給の実現が可能となる。
さらに、バイオマス燃料に限らず、再生可能エネルギー全般において研究開発を加速させることで、化石燃料への依存を脱却し、地球温暖化の抑制が可能となると考える。技術革新を通じて、環境に優しいエネルギー社会の実現を目指すことが、持続可能な未来への第一歩である。
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