キャッシュレス普及の小論文解答例【商学部・経済学部】社会科学系です。
【ある人の例】キャッシュレス普及の大学入試小論文解答例
近年、人々は日常的にキャシュレス決済をすることが習慣化している。しかし、その普及率は二〇一六年時点で20%以下と諸外国に比べ低い。ではなぜ、普及率が低く現金決済が多いのであろうか。要因は様々あるが、クレジットカードや電子決済に対し個人情報流出を危惧し、不安視する声がある。加えて小規模な商店ではシステム導入の際の初期費用や決済手数料のコストが負担となる。これらの問題を解決し、決済比率を増加させるには、国と個人の両者の安全性への取り組みが必要だと言える。
国は通産省、キャシュレス推進協議会、金融機関の連携のもとで共通の運用ルールに基づき、不正使用防止に向け、さらなるセキュリティシステムの強化とスキミング防止策を早急に講じる。小規模店舗にはキャシュレス化への負担軽減の助成をすべきである。一方、利用者個人では、パスワードの管理の徹底、例えば二段階認証の利用。所有するクレジットカードや電子マネーの枚数、数量を減らし管理を簡素化する。預金通帳や利用データのこまめにチェックすることで不正使用の早期発見、防止につなげる。実際に、知らぬ間にカード情報が抜き取られ偽造され悪用される被害も増えている。
政府や機関、利用者個人のいずれにしても安心、快適なキャシュレス決済の機会を増やすにはセキュリティを第一に考えることしかないといえるのである。
【添削・アドバイス】キャッシュレス普及の大学入試小論文
1.導入の明確化
文章の冒頭でキャッシュレス決済の重要性をもう少し具体的に説明すると、読者がテーマに入り込みやすくなります。例えば、「キャッシュレス決済は利便性や効率性を向上させる手段として注目されている」といった内容を追加すると良いでしょう。
例:「近年、キャッシュレス決済は利便性や効率性の向上を図る手段として注目されている。しかし、日本では普及率が低く、その背景にはいくつかの課題が存在している。」
2.データの提示方法の改善
普及率に関するデータ(2016年時点で20%以下)を提示する際、比較対象を明示すると読者にインパクトを与えられます。例えば、他国の具体的な普及率を挙げてみると良いです。
例:「日本のキャッシュレス決済の普及率は2016年時点で20%以下であり、例えば韓国や中国の80%を超える普及率と比較して大幅に低い。」
3.解決策の深掘り
解決策については具体性を高めることで説得力が増します。例えば、小規模店舗への助成策について、補助金の具体的な内容や他国の成功例を示すと良いです。
例:「小規模店舗への助成策として、導入費用の補助や決済手数料の一部負担軽減などの具体的な政策が考えられる。実際、中国では政府主導で中小企業向けにQRコード決済システムを低コストで普及させた成功例がある。」
4.結論の説得力を強化
最後の段落では、「セキュリティを第一に考えることしかない」と断定していますが、より多面的な視点を加えると説得力が高まります。例えば、利便性や教育の重要性にも触れると良いです。
例:「安心・快適なキャッシュレス決済の実現には、セキュリティの強化だけでなく、利用者教育や利便性向上のための技術開発も重要である。このように、政府、企業、個人が一体となって取り組むことが必要だ。」
【全体修正案】キャッシュレス普及の大学入試小論文
近年、キャッシュレス決済は利便性や効率性の向上を図る手段として注目されている。しかし、日本の普及率は2016年時点で20%以下と低く、例えば韓国や中国の80%を超える普及率と比較して大幅に遅れをとっている。この背景にはいくつかの課題が存在している。
普及率が低い要因としては、2点が挙げられる。1つは、クレジットカードや電子決済に対する個人情報流出への不安である。もう1つは、小規模店舗が初期費用や決済手数料の負担を感じることである。
これらの課題を解決するためには、国と個人の両者が安全性向上に向けて取り組む必要がある。国は、経済産業省やキャッシュレス推進協議会、金融機関と連携し、共通の運用ルールを策定する必要がある。また、不正使用防止に向けたセキュリティシステムの強化や、スキミング対策を早急に実施するべきだ。さらに、小規模店舗には、システム導入費用の補助や決済手数料軽減の助成策を導入することが重要である。
一方、利用者個人としては、パスワードの管理を徹底し、二段階認証を活用することが求められる。また、クレジットカードや電子マネーの利用枚数を減らし、定期的に利用履歴をチェックすることで、不正使用を早期に発見・防止できる。
安心・快適なキャッシュレス決済の普及には、セキュリティの強化だけでなく、利用者教育や利便性向上のための技術開発も不可欠である。政府、企業、個人が一体となり、これらの取り組みを進めることで、より良いキャッシュレス社会を実現できるだろう。
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