【2018年度】福島大学行政政策学類(後期)小論文解答例「ペナルティの効果」

罰を与える学習効果 小論文
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平成30年度【2018年度】福島大学行政政策学類(後期)小論文解答例「ペナルティの効果」です。

【問題要約】
ペナルティによってルールを守らせようとする限り、守らされる側は違反行為をした場合、実際にペナルティが課される可能性や深刻さを正しく見積もり、そのうえで適切な行動をすることが期待されている。これは 、一種の「ゲーム」である。しかし、ペナルティが設定されたことを深刻に受け止めるなら、守らされる側は、どうすれば注意されないのか、 叱られないのかということを判断基準として行動する、「ペナルティを避けるゲーム」となる。この状態に慣れてしまうと、ペナルティを科されないこととルールを守ることが同一であるかのように錯覚する。これらの問題に関わる中で、特に深刻でかつ頻繁に見られるのが、「バレなければ良い」という考え方である。この考え方はゲームに取り組む正しい態度とされ、このようになってしまうと、「ルールが守られていない」ことになる。 つまり、ペナルティによって ルールを守らせることができないということ。

このように述べられているが、ペナルティの効果についてどのように考えるか述べよ。

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【ある人の例】福島大学行政政策学類(2018後期)小論文解答例「ペナルティの効果」

ペナルティの効果は、特定の行為をさせないようにする、もしくはさせるようにすることは限界があるものの可能だ。また、誰かに何かをさせようとする、あるいはさせまいとするための、「ルールによる強制・禁止」とは異なっている。

私は、ペナルティは必要だと思う。 ペナルティにはルールによる「強制・禁止」にはないようなメリットがあるからだ。
「ルールによる強制・禁止」だけならば、違行為に対する制裁が明らかにされてないことがあるが、禁止事項の線引きは明確である。それに対して、ペナルティは、守らされる側にルールを破ってはいけないという認識を与えることができる。欠点として、ペナルティだけでは違反行為をしてもばれなければ良いという考え方が横行する。これではルールは守られない。

そのためには、「ルールによる強制・禁止」と「ペナルティ」の両立が必要である。前者は違反行為に対する線引きが明確であり、後者は違反行為に対する制裁が明確であるため、 守らされる側もルールの導守ができる。

ペナルティは違反行為に対する線引きが明確である「ルールによる強制・禁止」の欠点を補うものとして必要であると私は思う。

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【アドバイス】福島大学行政政策学類(2018後期)小論文解答例

1.文法や表現の修正
いくつかの箇所で日本語としての自然さや文法的な正確さに若干の改善の余地があります。

・「違行為」→「違反行為」
・「ルールを破ってはいけないという認識を与える」→「ルールを破ることの重要性を認識させる」
・「守らされる側もルールの導守ができる」→「守る側もルールを遵守しやすくなる」

2.論理の一貫性を向上
主張を補強するために具体例や説得力のある補足説明を追加すると、読み手により納得感を与えられます。

ペナルティの例を挙げる(例:交通違反の罰金、スポーツでの反則に対する罰則など)。「バレなければ良いという考え方が横行する」という部分に対して、どのようなペナルティが有効か、またその課題についても具体的に触れると良いでしょう。

3.表現の簡潔さ
一部の表現が少し冗長に感じられるため、簡潔にすることでより読みやすい文章になります。

「ペナルティにはルールによる『強制・禁止』にはないようなメリットがあるからだ」
→「ペナルティには、ルールの『強制・禁止』にはないメリットがあるからだ」

「『ルールによる強制・禁止』だけならば、違行為に対する制裁が明らかにされてないことがあるが、禁止事項の線引きは明確である。」
→「『ルールによる強制・禁止』は、禁止事項の線引きが明確だが、制裁内容が明確でない場合がある。」

4.結論部分を強化
結論部分を少し具体化し、簡潔かつ強調してもいいです。

「ペナルティは違反行為に対する線引きが明確である『ルールによる強制・禁止』の欠点を補うものとして必要であると私は思う。」
→「ペナルティは、『ルールによる強制・禁止』が持つ欠点を補い、ルールの遵守をより確実なものにするために必要だと考える。」

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【全体修正案】福島大学行政政策学類(2018後期)小論文解答例

ペナルティの効果は、特定の行為を促したり抑制したりする点で一定の役割を果たす。しかし、それは単なる「ルールによる強制・禁止」とは異なるものである。私は、ペナルティはルールを守らせる上で必要だと考える。ペナルティには、単なる「強制・禁止」では得られない重要なメリットがあるからだ。

たとえば、「ルールによる強制・禁止」では、禁止事項が明確である一方、違反行為に対する具体的な制裁が明示されていない場合がある。その結果、守る側がルールの重要性を十分に理解できないこともある。しかし、ペナルティが存在することで、ルールを破ることへのリスクを認識させ、抑止効果を生む。ただし、ペナルティだけでは「バレなければ良い」という考え方を助長する可能性があるため、ルール全体の遵守には不十分だ。

このような理由から、「ルールによる強制・禁止」と「ペナルティ」の両立が必要であると考える。前者は禁止事項を明確化し、後者は違反時の制裁を具体化する。これにより、ルールを守る側にとって、ルールの内容や守る意義がより分かりやすくなる。

以上の点から、ペナルティは「ルールによる強制・禁止」の欠点を補い、ルール遵守を促進するために必要不可欠な手段であると結論づけられる。

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