工学部の大学入試志望理由書の例です。
工学部の大学入試志望理由書の例
【志望理由】地球環境の保全に貢献できる研究者になりたい。これが私がA大学工学部化学物理工学科を志望する理由です。
【きっかけ】夏になると思い出す話があります。まだ赤ん坊だった私が、真夏の車内に閉じ込められた出来事です。母が私を後部座席に乗せた時にぐずったので、車のリモコンキーを持たせてドアを閉めたとのこと。そして、運転席に乗り込むまでの一瞬の間に私がロックしてしまったのです。炎天下の中で母が焦っていると、私は暑さのあまり泣きながら偶然にもまたボタンを押したらしく、かろうじて助かったとのことでした。
【興味・関心】小学生の時にその話を聞いて、日陰だから涼しいはずなのに、なぜ車の中はそんなに暑くなるのか不思議に思い、自由研究で木やアルミホイルなど様々な材質の箱の中に温度計を入れて調べました。それがきっかけで、太陽の威力に惹かれたと同時に、身の回りの材質の違いにも関心を持つようになったのです。
【挑戦・志望学部との親和性】中学、高校は座学中心となり、私は特に物理が得意でした。数理科学コンクールで特別賞をいただいたことで、研究者という漠然とした夢を持つようになりました。そして高校三年生の暑い夏、不意にまた太陽エネルギーのことを思い出して、各大学のエネルギー問題や環境問題の取り組みについて調べてみたのです。すると、キャンパス内でプラスチック削減へ取り組んでいる大学があることを知り、それが貴学でした。単なる知識の詰め込みだけに終わらず、学生たちが実生活の中で環境問題に取り組んでいるその姿勢から、研究面でも社会にとって有益な研究をしているのではないかというイメージを抱きました。
【具体的な学び】貴学のA教授の研究室では、食堂が入る建物自体に最新の技術を盛り込んで実証実験を行っているとのこと。太陽光をはじめとする複数の省エネルギー設備を導入し、運用条件を変更しながらシミュレーションして効果を検証する。机上の理論だけでなく、そうやって体感しながら進めていけるところに興味を惹かれました。私はその実証実験における省エネルギー化や排熱の再利用に加えて、例えば断熱性の高い壁やガラスなど素材の研究にも取り組み、化学の分野からも環境問題にアプローチしたいです。
【まとめ・抱負】そのために、貴学で化学の知識をしっかり身につけるとともに、生命や資源などの観点から地球環境を学んでいる農学部の学生とも交流して学びを深め、将来は幅広い視野から環境保全に貢献できる研究者になりたいです。
工学部の大学入試志望理由書の例のアドバイス
【1】エピソードの関連性強化
赤ん坊の時のエピソードは興味深いですが、その経験が「太陽エネルギー」や「環境問題」とどのように結びついたのかをもう少し明確に描写すると良いです。この経験が「太陽の威力」や「環境への関心」に繋がった過程を、少し丁寧に説明することで、ストーリーが一貫して強くなります。
例:「赤ん坊の頃の暑い車内での経験が、私にとって太陽の強力な影響を実感させた最初の出来事でした。その後、小学生の時にその話を聞いて…」
【2】志望理由の強調
A大学やA教授の研究室への具体的な志望理由はしっかりと書かれていますが、あなたがその環境で「どのような研究をしたいか」や「どのようにその研究が将来の目標に繋がるか」をより詳細に描くと、あなたの研究への意欲がさらに伝わりやすくなります。
例:「私は特に断熱性の高い材料の開発に取り組むことで、建物全体のエネルギー効率を高め、太陽光や排熱の再利用技術とのシナジーを生み出すことを目指しています。A教授の研究室での最新技術を駆使した実証実験の中で、このテーマに挑戦したいと考えています。」
【3】研究者としての将来像の明確化: 将来の目標をもう少し具体的にして、研究者としてどのように社会に貢献したいのか、どのような影響を与えたいのかを強調することで、文章全体に締まりが出ます。
例:「将来は、断熱性に優れた素材を用いて省エネルギー建築を普及させ、地球環境の保全に貢献する研究者として、社会に大きなインパクトを与えたいです。」
工学部の大学入試志望理由書の全体修正案
地球環境の保全に貢献できる研究者になりたい。これが私がA大学工学部化学物理工学科を志望する理由です。
夏になると思い出す話があります。まだ赤ん坊だった私が、真夏の車内に閉じ込められた出来事です。炎天下で母が焦る中、私は泣きながら偶然にもボタンを押してドアを解除し、命拾いをしました。この話を小学生の時に聞き、車内がこれほどまでに暑くなる原因に興味を持ちました。それが私の太陽エネルギーへの関心の始まりでした。私はその好奇心を自由研究で深め、太陽光や周囲の材質の違いが温度に与える影響を調べることで、自然界のエネルギーと素材の特性に対する興味が芽生えました。
中学、高校では座学中心となり、物理が得意科目になりました。特に数理科学コンクールで特別賞を受賞した経験から、漠然とした「研究者」という夢を抱くようになりました。高校三年生の夏、エネルギー問題や環境問題に関する大学の取り組みを調べる中で、プラスチック削減に積極的に取り組む貴学に惹かれました。単なる知識習得にとどまらず、実生活の中で環境問題を意識している姿勢に、社会的な課題に対しても有益な研究を行っていると感じました。
貴学のA教授の研究室では、建物に最新の省エネルギー技術を導入し、実証実験を行っていることを知り、さらに興味を持ちました。シミュレーションを通じて省エネルギー設備の効果を検証するだけでなく、実際に体感しながら研究を進められる点が非常に魅力的です。私は特に断熱性の高い素材の研究に取り組むことで、建物全体のエネルギー効率を向上させ、太陽エネルギーの活用や排熱の再利用技術との連携を図りたいと考えています。
そのために、貴学で化学の知識を深めるだけでなく、農学部の学生とも交流し、生命や資源の観点からも地球環境問題にアプローチしていきたいです。将来は、研究者としてエネルギー効率の高い技術を普及させ、地球環境の保全に貢献することを目指します。
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