【2009年度】慶應義塾大学法学部小論文解答例「セキュリティ社会」

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【2009年度】慶應義塾大学法学部小論文解答例「セキュリティ社会」です。

以下の文章を読み、「政治的空間としての〈公共空間〉」における責任と自由に関する著者の主張を400字程度でまとめなさい。そのうえで、「セキュリティー社会」についての著者の見解に対して、その是非も含めて、あなたの考えを述べなさい。

セキュリティ社会について解答例

古代人は優れて公共的な空間において自分の責任において発言し、他者はできず自分だけができる活動で個性を示し自由を享受していた。それに対して、現代では我々は自らの生活を社会という保護空間に保護されていることを望んでいる。この現代の空間では、人に無責任な発言が許され、他者の気遣いが免除される。その結果、人は他人を信用しなくなってしまい、自分を疑い深い目で見てくる他者の視線に怯えながら生きてなければならなくなった。

今日到来しつつある セキュリティ社会はこのような不安を技術的に解決しようとする社会である。しかし、不安は責任を受ける覚悟を持たないことから生じている。そして監視技術は覚悟を持たないまま、不安を軽減するものだ。したがって、技術の進歩は人間が覚悟を持たず 世界に存在することを増長させる手段でしかない。問題はこれを止めるのが先であって、不安を技術によって軽減することではない。覚悟を持ち、公共空間に現れることを尊いとし、そうでないものを愚かとする感覚が必要である。以上が、筆者の意見である

私は筆者のセキュリティ社会の見解に対して、以下の2点のから懐疑的である。

1つ目は、セキュリティ社会を否定し後回しにしてしまうことは非現実的だということだ。確かに、古代の人々は公共空間への覚悟を持った参画はできていたかもしれない。 しかし、それは一つのポリスを単位にして行われていたものであって、現代の地方自治体や国とは、膨大な差がある。したがって、人が皆このような意識を抱くことは難しい。そのため現在、犯罪発生の減少に成功している監視技術を放棄し、他を求めることはできないのではないか 。

2つ目は、技術の活用が我々の政治に対する当事者意識を養うことにつながる点である。例えば、台湾では、政府が作成したインターネット上のプラットフォームでの議論によって、国会で法案が提案され多くの案が可決されている。したがって、おのずと政治を身近に感じ、自らの発言に責任を持つ国民が増えたという。他にも、このようなサービスの導入を検討している国が多くあると言われている。

このように、セキュリティ社会自体を否定することは、現代社会では不可能に近い。そのため、それを受け入れ 人々に対してどのように責任を持った行動を促すかどうかという問題は、共同体の規模が拡大した現代では、技術の活用に解決を委ねるのが良いのではないかと、私は考える。

セキュリティ社会について講評(抜粋)

論文は、古代と現代の公共空間における責任と自由の変遷を巧みに描写しています。総じて、論文は興味深く読みやすいが、一部の主張には詳細な説明や論拠の裏付けが必要です。より具体的で論理的な展開があれば、よりよい論文となります。

【改善点】
まず、論文はセキュリティ社会を否定し後回しにすることが非現実的であると指摘していますが、その理由に関して詳細な論拠や裏付けが不足(添削参照➀)しています。古代と現代の社会の違いを考慮する必要があるとは言え、現代の監視技術が犯罪の減少に成功している実績も考慮すべきでしょう。また、一つのポリスと現代の自治体や国との差異に焦点を当てるならば、その違いに対する具体的なアプローチや提案が欠如しています。

次に、技術の活用が当事者意識を養う可能性を強調していますが、これに対する具体例や詳細な説明が不足(添削参照➁)しています。台湾の事例は挙げられていますが、他の国や地域においても同様の結果が得られるかどうかについての考察が望まれます。また、技術の活用が責任を促す手段として十分かどうかに関する疑問も考慮すべきです。

セキュリティ社会について添削(抜粋)

(添削参照➀)【修正文】例えば、現代の都市社会では犯罪の防止や市民の安全確保のために監視技術が広く導入されている。これにより犯罪率が低下し、市民の安心感が向上した。したがって、単純にセキュリティ社会を否定し後回しにすることは、現実の複雑な都市環境において安全を確保する手段としては適切でない可能性がある。

(添削参照➁)【何の説明がほしいのか】原文では、台湾の政府が提供するインターネット上のプラットフォームによる議論が、国民の政治参加を促進したとされています。しかし、この具体的なプラットフォームがどのように機能し、どの程度の国民が参加したのかに関する詳細な説明が必要です。

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