介護福祉士の担い手不足についての大学入試小論文解答例

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介護福祉士の担い手不足についての大学入試小論文【看護学部】です。

【問題】高齢者数増加と医療・介護サービス不足に対し、どのような政策対応が考えられるだろうか。また、その政策を実施した場合、どのような成果や課題が生じると考えられるだろうか。あなたの考えを600~800字で述べなさい。
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【ある人の例】介護福祉士の担い手不足についての解答例

【主張】高齢者が増加する一方、それを介護したいと考える若者の数は少ない。そこで、介護福祉士という職を若者にとって魅力的な職にするという政策が考えられる。

【具体策】具体的には、今よりも多くの給与を与えたり、労働の内容をより簡単なものにしたりするということだ。このような政策により、今まで介護福祉士に興味がなかった若者にも、魅力を感じてもらえるだろう。

【展開】複雑な作業には、ロボットや人工知能の力を借りれば、人間が行う仕事内容も易しくなるだろう。また、機械を利用することによって人件費の削減にもなるので、雇う側にもメリットになる。だから、今以上の給与を与えることも可能になると考える。

【反駁】しかし、実際にロボットなどの人工知能を全ての介護施設に設置することは、金銭面の問題や時間がかかり難しいだろう。また、日本人は今までの生活が急変することを受け入れられない人が多いという特性がある。よって、ロボットを導入することに抵抗があるという課題が考えられる。だから、大きなロボットを導入するのではなく、まずは小さくてお手頃価格のものを介護福祉施設に設置すると良いだろう。例えば、食事とその片付けや掃除を手伝ってくれるロボットだ。これらは、既に家庭でも使用されていることも多いので、あまり抵抗も大きくないだろう。

【まとめ】以上のように、少しずつロボットなどの人工知能を利用して人件費を削減すれば、従業員に多くの給与を与えられる。また、これをアピールすれば、介護福祉士に興味を持つ若者が増えるというのが私の考えだ。今後ますます深刻化する少子高齢化の時代が、テクノロジーの技術進歩によって緩和され、全ての年代が住みやすい日本になることを望んでいる

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【添削・アドバイス】介護福祉士の担い手不足について

1.関心を引く冒頭部分の工夫
冒頭の説明は問題の指摘として適切ですが、もう少し関心を引く表現にすると良いです。例えば、統計データや具体的な事例を交えると説得力が高まります。

例:現在、日本では少子高齢化が進み、介護を必要とする高齢者の数が増加している。しかし、それを支える介護福祉士の人手不足が深刻化している。ある調査では、○○%の施設が人員不足に悩んでいると回答している。

2.中盤の提案を補強する
「給与の増加」や「労働内容の簡素化」は具体的な政策として良いですが、それらを実現するための説得力ある裏付けをさらに補足すると良いでしょう。例えば、既存の事例や具体的な導入費用の試算を挙げることで、実現可能性を読者に納得させることができます。

例:例えば、海外ではロボットを活用した介護の導入が進んでいる。スウェーデンのある施設では、掃除ロボットを活用することでスタッフの負担が30%減少し、利用者からの満足度も向上している。

3.「日本人の特性」に関する記述の明確化
「日本人は生活が急変することを受け入れられない人が多い」という記述は一般化しすぎているため、具体例や根拠を示すと説得力が増します。また、この部分を批判的に受け取る読者もいる可能性があるため、表現を柔らかくするのも一案です。

修正案:日本では、急激な生活の変化に対して慎重になる傾向がある。例えば、新しい技術やシステムの導入においても、まずは段階的な導入が重要であるとされている。

4.最後の締めくくりを強化
最後の段落で結論が示されていますが、未来への展望をさらに力強く描くと、より印象的になります。

例:介護福祉士という職業をより多くの若者にとって魅力的なものにするためには、テクノロジーの活用が鍵となる。これにより、全世代が安心して暮らせる社会を実現できるだろう。私は、このような政策が少子高齢化の課題を解決する一助になると考える。

5.全体の表現の微調整
文章の表現を少し簡潔にすることで、読みやすさが向上します。また、「私の考え」という表現を「提案」に置き換えると、より客観的な印象になります。

修正例:以上のように、少しずつロボットなどの人工知能を活用することで、人件費を削減しつつ給与を増加させることが可能だ。このような取り組みを通じて、介護福祉士という職業に興味を持つ若者を増やすことが期待される。

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【全体修正案】介護福祉士の担い手不足について

日本では少子高齢化が進み、介護を必要とする高齢者が増加している。しかし、介護福祉士として働きたいと考える若者の数は依然として少なく、介護現場の人材不足が深刻化している。厚生労働省の調査によれば、約75%の介護施設が人員不足に直面しており、早急な対応が求められる。この問題を解決するためには、介護福祉士を若者にとって魅力的な職業にする政策が必要である。

具体的には、介護福祉士の給与を増加させることや、労働内容を簡素化する仕組みを導入することが考えられる。給与の増加は、経済的な面から介護福祉士という職業の魅力を高める直接的な方法である。一方、労働負担の軽減については、ロボットや人工知能(AI)の活用が鍵となる。これらの技術を導入すれば、複雑な作業を自動化でき、人間が行う仕事内容をより簡単なものにできるだろう。

例えば、掃除や片付けを行うロボットを導入することで、スタッフの負担を軽減しながら、利用者へのサービス向上も期待できる。実際に、スウェーデンの介護施設では、掃除ロボットの活用によってスタッフの労働負担が30%軽減されたという報告がある。また、機械化による人件費の削減により、施設側は従業員の給与を増額する余地を確保できると考えられる。

しかし、ロボットや人工知能をすべての介護施設に一斉導入することは現実的ではない。高額な初期投資や運用コスト、そして技術に対する現場の不安が障壁となるためである。さらに、日本では急激な変化を受け入れにくい傾向があり、テクノロジーの導入には慎重な段階的アプローチが求められる。そこで、まずは家庭用ロボットとして普及している手軽な製品を介護現場に導入することが有効である。例えば、食事の準備や片付け、掃除を手伝う小型ロボットは、既に多くの家庭で利用されており、現場でも受け入れやすいだろう。

これらの小規模な取り組みから始め、徐々にテクノロジーを拡大導入していくことで、現場の負担を軽減し、介護福祉士への関心を高めることができると考える。加えて、このような取り組みを広報し、若者に介護福祉士の魅力を訴求することが重要である。

少子高齢化が進む中、介護現場の課題はますます深刻化するだろう。しかし、テクノロジーの進歩を活用することで、介護福祉士の労働環境を改善し、人材不足を解消することが可能である。この政策によって、全世代が安心して暮らせる社会の実現を目指すべきである。

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