【2017年度】鳥取大学地域学部小論文解答例「地域社会のあり方」です。
(問1改題)日本の人口動向の特徴を、出生率、出生数との関係も踏まえて300字以内でまとめなさい。(問2) <資料1> および <資料2> を参考に、“人口”という言葉に含まれる意味や日本の人口動向を踏まえて、今後の地域社会のありかたを構想する際に必要となる視点について、あなたの考えを 700字以内で述べなさい。
鳥取大学地域学部(2017)小論文解答例「地域社会のあり方」
【問1】(その1)
日本の人口動向は出生率の低下が特徴的だ。出生率は長らく低水準で推移し、これが出生数の減少につながっている。結婚適齢期の遅延や結婚しない選択が増加し、子育てが経済的な負担となることが要因とされる。その結果、少子高齢化が進行し、高齢者の割合が増えている。この傾向が持続すると、労働力の減少や社会保障の負担増などの懸念がある。政府は出生率向上のために働き方改革や子育て支援策を推進しているが、課題は根深く、継続的な対策が求められている。
【問1】(その2)
日本の人口動向の特徴は、出生率と出生数ともに低下傾向である。出生率は女性一人あたりの平均出生数を示し、出生数は実際の出生件数である。現在、日本の出生率は低下しており、女性の社会進出や晩婚化などの要因が影響している。これにより、出生数も減少しており、高齢化や人口減少が課題となっている。
【問2】(その1)
<資料2>では、人口減少と自治体の存続に焦点を当て、今後の地域社会のあり方について深い洞察を提供している。人口は社会を形成し、その変動は地域社会に多岐にわたる影響を与える。これを踏まえると、以下の視点が今後の地域社会構想に必要とされると考えられる。
まず、人口減少の背後には様々な要因が絡み合っている。経済的課題や働き方の変化、結婚や出産の選択の変容などが挙げられる。これらの要因を理解し、地域ごとにその影響度合いを分析することが必要だ。また、単なる人口数だけでなく、人口構成やニーズの変化も考慮することが重要だろう。
次に、自治体の存続と結びついて、地域社会の魅力を再評価する必要がある。住民が生活しやすく、働きやすい環境づくりが求められる。地域資源や文化、自然環境などの特長を生かしたまちづくりが、人々に魅力を提供し、定住を促進する可能性がある。
また、地域社会構想においては、地方自治体や中小都市の連携が重要だ。資源や情報の共有、連携による効率的な施策の実現が、個々の自治体の限られたリソースを補完し合い、地域全体の発展を促進などが考えられる。
さらに、働き方や生活様式の変化に対応するため、柔軟で創造的な政策が求められる。例えば、テレワークの推進や地域産業の振興など、地域独自の取り組みが必要だ。これにより、若年層や専門職を地域に引きつけ、地域社会の活性化が期待される。
総じて、人口減少と自治体の課題に対処するには、単一のアプローチではなく、多角的で地域差を踏まえた戦略が求められると考える。地域社会の再構築には住民参加や地域資源の最大限の活用が必要であり、そのためには柔軟で創造的なアプローチが欠かせない。
【問2】(その2)
人口という言葉には、ある地域や国家における人間の数や人々の集団としての存在が含まれる。人口は社会や経済において重要な要素であり、地域社会の発展や維持においても不可欠だ。
日本の人口動向を踏まえると、現在の日本は人口減少が進行している。この人口急減は将来的には地域社会に多くの課題をもたらす可能性がある。
地域社会のあり方を構想する際には、以下の視点が必要となると考える。まず、地域の魅力を高めるための施策が重要だ。人々が地域に魅力を感じ、定住したいと思うような環境づくりが求められる。これには、豊かな自然環境や文化、地域特産品などの活用が欠かせない。 また、地域の教育環境の充実も大切だ。子育て世代が地域に残りやすくするためには、良質な教育機関や教育環境の整備が必要だ。地域の学校や保育施設の役割が重要であり、子供たちの将来を支える教育の質の向上が求められる。
さらに、地域経済の活性化も欠かない。人口の減少により、地域経済が停滞することが懸念される。地域の中小企業の支援や新たな産業の育成など、経済活動を促進する施策が必要だ。また、地域固有の資源や観光資源を活かした地域振興策も有効だ。
地域コミュニティの形成と支援も必要だろう。地域の人々が協力し合い、結束して地域を守り、共に発展させていくことが求められる。地域の交流イベントやコミュニティ活動の促進、地域住民の参加を促す仕組みの整備が必要だ。
以上のような視点に立ち、地域社会のあり方を構想することが重要だと考える。人口急減による課題に直面しながらも、地域の魅力向上、教育環境の充実、経済活性化、地域コミュニティの形成などの取り組みを通じて、持続可能な地域社会の実現を目指すべきだ。
【一般論】これからの地域社会のあり方
地域資源の最大限活用
地域独自の自然環境、文化、歴史などの資源を活かし、魅力的な地域づくりを促進。
多様な働き方の推進
テレワークやフレキシブルな働き方を支援し、若年層や専門職の定住を促進。
地域自治体の連携強化
地域の共通課題に対して協力し、情報やリソースを共有することで、地域全体の発展を促進。
地域教育の充実
地域社会に必要なスキルや知識を提供するための地域教育の充実を図り、地域の人材育成に注力。
健康促進と高齢者支援
地域全体で健康づくりに取り組み、高齢者支援の拡充を通じて社会的な結束を強化。
地域イノベーションの推進
地域に特有の課題やニーズに対応するためのイノベーションを奨励し、地域産業の振興を図る。
住民参加の強化
住民の意見やアイディアを積極的に取り入れ、地域づくりにおいて住民参加を促進。
環境保全と再生可能エネルギーの導入
地域環境の保全を図りつつ、再生可能エネルギーの導入によって地域の持続可能性を追求。
地域ブランディング
地域の特性や魅力を適切に伝え、地域ブランドを構築して、定住者や観光客を引きつける。
協働・共生社会の構築
地域内外のステークホルダーとの協力関係を築き、共生社会を推進する。
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