【2023年度】慶應義塾大学総合政策学部小論文解答例「大学教育と知のあり方」

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【2023年度】慶應義塾大学総合政策学部小論文解答例「大学教育と知のあり方」です。

【問1】文章1~4のうち、少なくとも3つに具体的に言及し、大学での学びにおいて重要だと考えるものについて 600文字以内で論ぜよ。それぞれの文章の内容に 賛成する必要はない。 批判的検討は常に重要であり、反論も歓迎される。

【問2】 文章 1~4を踏まえ、
(ア)問2の冒頭の欄に、社会における「知」として最も重要だと考える要素や役割を簡潔に示せ。
(イ)そのうえで、今日の世界における政策―(日本でも海外でもよい)の具体的事例を2つ挙げ、(ア)で示した「知」がどのように活かされているか、あるいは活かされていないかを含め、 800 文字以内で論ぜよ。その際に、文章3ないし4(あるいは両方)に具体的に言及することが望ましい。

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慶應義塾大学総合政策学部(2023)大学教育と知のあり方解答例

【問1】 (解答例1)
➀ミルの『大学教育について』は、自由な思考と個別的な教育の重要性について論じている。私はこれに共感する。大学教育は、ただ事実を学ぶだけでなく、批判的思考や問題解決能力を養う場でなければなrない。学生たちは自ら考え、議論し、独自の視点を持つことを奨励されるべきだ。

➁の提言は、21世紀の変化する社会に対応するための大学教育改革を提唱している。私はこれに賛同だ。大学は、一つの特定の分野に限定されず、多様な人材を育成する場であるべきである。学生たちには主体的な学修の機会を与え、異なる知識領域やスキルを組み合わせることで、柔軟で創造的な思考を養うことが重要だ。

➂ショーペンハウアー 『読書について』 では、読書の重要性とその方法についてショーペンハウアーが述べている。私は読書の重要性を強く信じており、この書物もその意義を示している。大学生は広範な知識を構築し、洞察を深めるために、幅広いジャンルや異なる視点からの本を読むことが重要だ。

これらの文章は、大学での学びにおいて重要な考え方やスキルを提供してくれると私は考える。個別の著者や視点に対して異なる意見や批判があるかもしれない。それこそが学問の本質であり、議論や対話を通じてより深い理解を得ることができる。大学生は自己の学びに対して批判的に向き合い、異なる書物や意見を探求することで、より豊かな学びの経験を得ることができると考える。

【問1】 (解答例2)
➀のJ.S. ミルの『大学教育について』では、ミルは自己発見と自己表現の価値を主張している。彼は大学教育が学生の独自の思考能力や個性を伸ばす場であるべきだと論じていつ。ミルのアプローチは、学生が自分の意見を形成し、他者と議論することを通じて深い理解を得ることを強調している。大学での学びはただ知識を受け入れるだけでなく、主体的かつ批判的な思考を促進するべきだ考える。

➁では、日本経済団体連合会の提言が新しい時代に対応した大学教育改革を提案していつ。これには、一主体的な学修を通じた多様な人材の育成が含まれている。個々の学生の興味や能力に合わせた教育の柔軟性を重視し、多様な経歴やバックグラウンドを持つ人材を尊重するアプローチが示唆している。これは社会がますます多様性を重視する中で、大学がその需要に応えるための重要なアスペクトだと考える。

➂のショーペンハウアーの『読書について』では、読書の重要性とその方法について探求している。ショーペンハウアーは読書が知識だけでなく、知恵や洞察力をもたらすことを主張している。私は、大学での学びにおいて、ただ情報を吸収するだけでなく、深く考え、異なる視点から物事を理解する能力が不可欠であると認識している。

➃のピエール・バイヤールの『読んでいない本について堂々と語る方法』では、本に対するオープンマインドでいることの重要性が説かれている。バイヤールは、ある本を読まなかったからといってその本に対する意見を持つことができると主張している。私は、大学での学びにおいても、異なる視点やアプローチに対して偏見を持たず、柔軟な思考を養うことが肝要であると考える。

これらの文章から得られる視点を組み合わせることで、大学での学びにおいては自己発見と議論の重要性、多様性を尊重した教育の必要性、深い理解をもたらす読書の意味、そしてオープンマインドな態度が重要であると言える。

【問2(ア)】(解答例1)
社会における「知」の最重要要素は自己発見と批判的思考である。個々の思考力強化と多様性への理解が知識の基盤であり、適応力を形成する。

【問2(ア)】(解答例2)
社会における「知」として最も重要な要素や役割は、「批判的思考」と「多様な知識の活用」だ。

【問3(イ)】(解答例1)
1つ目の政策事例として国際的な協力による環境問題への取り組みがある。多国間で協力し、気候変動や環境問題に対処するパリ協定は、ショーペンハウアーの『読書について』で強調される深い理解と洞察力を反映している。協定の基盤は科学的知識に裏打ちされ、国々が異なる状況やニーズに対応できる柔軟性を持っている。バイヤールの『読んでいない本について堂々と語る方法』においても、協定を支える多岐にわたる情報を吟味し、理解を深める重要性が示唆している。

しかし、一部の国がこれに適切に対応していないという課題もある。これはバイヤールが指摘するように、情報を無視し意固地になることで、理解を深める機会を逃すことにつながる。対話と深い理解がなければ、効果的な国際的協力は難しいと考える

2つ目の政策事例としてテクノロジーに基づく教育改革がある。近年、多くの国がバーチャルリアリティ(VR)や人工知能(AI)を活用した教育改革に取り組んでいつ。この政策は日本経済団体連合会の提言に合致し、一主体的な学修を通じた多様な人材の育成を目指している。学生は個別のスキルや興味に合わせた学習が可能であり、柔軟性を持った学びの環境が提供されている。ショーペンハウアーの『読書について』においても、知識の深化と洞察力を養うことを重要視している。しかし、テクノロジーを導入する際には、その利点と同時に倫理的な問題や社会的な影響にも留意する必要がある。これらの側面を無視すると、技術の導入が本質的な学びを阻害する可能性がある。

要するに、ショーペンハウアーとバイヤールの視点は、政策が持続可能で柔軟である必要があること、そして深い理解や洞察力をもって政策を検討し、実行することが重要であることを示唆している。

【問3(イ)】(解答例2)
事例の1つとして、気候変動対策がある。現代の世界では、気候変動対策が重要な課題だ。この政策において「知」が活かされている一つの側面は、ショーペンハウアーの書物に示されるような幅広い読書による知識の活用である。科学的な研究文献や国際的な気候変動の報告書を継続的に学び、批判的思考を用いて情報を評価することで、政策立案者たちは正確な情報に基づいた対策を取っている。

2つめの事例として、教育改革がある。教育改革もまた重要な政策だ。一方で、ピエール・バイヤールの書物に示されるように、読んでいない本について語る方法も側面として考慮されるべきだ。教育改革においては、単なる教科書の知識だけでなく、多様な学問領域や文学作品などの知識を取り入れることが求められる。これにより、学生たちは自らの興味や能力を伸ばし、柔軟な思考力や創造性を養うことができる しかしながら、現実の政策実施においては、このような「知」が完全に活かされているとは言いがたい場合もある。政治的な利害関係や経済的な制約などが影響し、ある特定の意見や情報が優先されることもある。したがって、より公正かつ包括的な政策立案のためには、広範な知識を持った複数の専門家や意見の多様性を尊重する体制が求められる。

結論として、ショーペンハウアーとピエール・バイヤールの書物に示される「知」は、現代の政策課題において重要な役割を果たすことができつ。しかし、その活用には政策立案者や社会全体の意識と体制の改革が欠かせない。幅広い知識の獲得と批判的思考の養成が、より持続可能で公正な政策形成につながると考える。

【一般論】大学での学びにおいて重要だと考えるもの

自己発見と批判的思考
学生が自分の考えを形成し、異なる視点を理解し、批判的に問い直す能力は重要です。これは個々の学問領域だけでなく、人生全般においても価値があります。

多様性を尊重した教育
学生の異なるバックグラウンド、経験、および学習スタイルを尊重し、それに対応する柔軟性が大切です。多様な環境で学ぶことは、社会での協力とコミュニケーション能力を向上させます。

実践的なスキルの習得
理論だけでなく、実践的なスキルも重視されるべきです。業界や社会で役立つスキルや経験を積むことは、卒業後の進路において大きなアドバンテージとなります。

倫理と社会的責任
大学での学びは、個人や社会に対する責任を理解し、倫理的な判断力を養う場であるべきです。社会への影響を考慮した学際的なアプローチが求められます。

協力とリーダーシップ
チームワークや協力のスキル、また自らリーダーシップを発揮できる力も重要です。これは将来の職場や社会での成功に直結します。

持続可能性への理解
環境や社会に対する責任を理解し、持続可能性の観点から問題を考える力が求められます。これは将来の社会的な課題に対処するために不可欠です。

情報リテラシー
大量の情報が利用可能な現代において、信頼性のある情報を選別し、効果的に利用できる情報リテラシーが必要です。

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