大学入試において、志望理由書は「なぜその学部で学びたいのか」を伝える重要な書類です。特に工学部では、専門知識への興味や問題解決力をアピールすることが求められます。本記事では、工学部志望者が押さえておくべき書き方のポイントを整理し、実際の解答例も紹介します。これを参考にすることで、説得力のある志望理由書を作成し、合格への第一歩を踏み出せます。
大学入試工学部志望理由書の書き方のポイント
1. 興味・関心の明確化

なぜ工学に興味を持ったのか、具体的な経験やきっかけを示す。
例:中学・高校でのロボット製作、プログラミング経験、科学部の研究活動など。
単なる「ものづくりが好き」ではなく、どの分野の技術や課題に関心があるかを明示する。
2. 将来の目標や課題意識を示す

「学んだ知識をどう活かしたいのか」を述べる。
例:環境問題を解決するエネルギー技術の開発に貢献したい、生活を便利にするロボット技術を研究したい。
社会や技術の課題に対する具体的な問題意識があると印象が良い。
3. 大学・学部選びの理由

その大学・学部でなければならない理由を述べる。
例:最先端の研究設備がある、企業連携や実験プロジェクトが充実している、教授の専門分野に惹かれた。
学部の教育方針やカリキュラムとの関連性を示すと説得力が増す。
4. 自身の経験や能力との関連付け

自分の経験やスキルを学びたい分野に結びつける。
例:プログラミングや回路設計の経験を活かして、自動運転技術の研究に挑戦したい。
実践的な能力や問題解決力をアピールすると、工学部らしさが出る。
5. 論理的・簡潔な構成

「興味 → 目標 → 大学選びの理由 → 自分の経験 → 将来像」の順で論理的に展開する。
長すぎず、読みやすい文章にする。
感情的表現よりも具体性・論理性を重視。
工学部の大学入試志望理由書の例
私がA大学工学部化学物理工学科を志望する理由は、地球環境の保全に貢献できる研究者になりたいという明確な目標を持っているからです。環境問題の解決には、化学・物理の知識を基盤とした技術革新が不可欠であり、貴学の先進的な研究環境で学ぶことこそ、自らの目標を実現する最良の道であると考えています。
私の科学への関心は、幼少期のある経験にさかのぼります。まだ赤ん坊だった私は、真夏の車内に閉じ込められたことがあります。炎天下で母が必死に私を助けようとする中、偶然にも自らドアを解除し、命を守ることができました。この出来事を小学生の頃に聞き、なぜ車内が短時間でここまで高温になるのかという疑問が芽生えました。この興味は、太陽エネルギーや物質の熱的性質への探究心へとつながり、自由研究では太陽光や周囲の材質の違いが温度に与える影響を調べることで、自然界のエネルギーの振る舞いと素材特性への理解を深めました。
中学・高校では、物理や化学を中心に理数系の学習を進め、特に物理の問題解決に強い関心を持つようになりました。数理科学コンクールで特別賞を受賞した経験は、抽象的な数理的考察を通じて現象を理解する喜びを実感するものであり、「研究者」という職業への憧れをより具体的にしました。高校三年生の夏には、エネルギー問題や環境問題に関する大学の取り組みを調べる中で、貴学がプラスチック削減や省エネルギー技術の開発に積極的に取り組んでいることを知り、非常に強く惹かれました。単なる知識習得にとどまらず、社会課題に直結する研究活動を行っている姿勢に、学問を通じた社会貢献の可能性を感じました。
特に、A教授の研究室で行われている、建物における最新の省エネルギー技術の導入と実証実験には大きな関心を抱いています。シミュレーションによる効果検証だけでなく、実際に体感しながら研究を進める環境は、理論と実践を統合する理想的な学習の場です。私は特に断熱性の高い素材の研究を通じて、建物全体のエネルギー効率を向上させ、太陽エネルギーの活用や排熱再利用技術との連携を図りたいと考えています。この研究は、持続可能な都市環境の構築や再生可能エネルギーの普及に直接貢献できると確信しています。
さらに、貴学で化学物理工学の専門知識を深めると同時に、農学部や環境学関連の学生とも交流することで、生命や資源の観点からも地球環境問題にアプローチしたいと考えています。異分野との連携は、新しい視点や技術革新を生み出す可能性が高く、持続可能な社会の実現に向けた研究をさらに豊かにするでしょう。
将来は、研究者として省エネルギー技術や再生可能エネルギーの普及に取り組み、地球環境の保全に具体的な貢献を果たすことを目指します。貴学の化学物理工学科での学びを通じ、理論的知識と実践的スキルを兼ね備えた技術者・研究者として成長することが、私の夢の実現に直結すると信じています。
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