法学部は、法律の知識だけでなく、論理的思考力や社会課題への関心も求められる学部である。そのため、大学入試における志望理由書では、「なぜ法学部なのか」「将来どう活かしたいのか」といった明確な動機と目的意識を伝えることが重要となる。本記事では、法学部志望の受験生に向けて、実際の志望理由書の例文とともに、書き方のコツや評価されるポイントをわかりやすく解説する。
法学部の志望理由書の書き方
志望理由書とは
学校推薦型選抜や総合型選抜で提出が必要な書類で、「なぜその大学・学部を志望するのか」を記載する重要な文書です。書類審査の判断基準となり、面接試験でも使用されます。
記載すべき5つの要素

- 学びたいことの要点…具体的な研究分野や興味のあるテーマを明確に示す
- 自分のアピールポイント…学びたいことに繋がる経験や活動を具体的に記述
- 大学で学びたいことの詳細…その大学でなければならない理由を含めた学習計画
- 志望大学を選ぶ理由…他大学との差別化ポイントを明確に示す
- 将来の目標…法学部での学びを活かした具体的な将来像
法学部特有のポイント

- 正義と平等への関心…社会問題に対する法的アプローチへの意欲を示す
- 具体的な体験談…アルバイトや日常で感じた法律の重要性を記述
- 時事問題への関心…最新のニュースや社会問題と法律の関係性を考察
- 将来の職業目標…弁護士、公務員、企業法務等の具体的な進路
基本的な構成パターン
❶夢・目標実現型構成
導入部: 将来の夢や目標を明確に提示
展開部: その夢に至った具体的なきっかけや体験
本論部: その大学・学部でなければならない理由
結論部: 入学後の学習計画と卒業後の展望
❷課題解決型構成
導入部: 関心のある社会課題やテーマを提示
展開部: その課題への問題意識が生まれた背景
本論部: 法学的アプローチでの解決への意欲
結論部: 具体的な研究計画と社会貢献への意志
成功のコツ

- 具体性を重視…抽象的な表現を避け、具体的な体験や事例を盛り込む
- ポイントを絞る…複数の内容を並べるより、1つのポイントを深く掘り下げる
- 大学研究を徹底…パンフレットやHP、オープンキャンパスで情報収集
- 説得力のある構成…論理的な流れを意識し、読み手に納得してもらえる構成

法学部の大学入試志望理由書の例
私は将来、環境省の一員として働き、法律の観点から環境問題を解決し、社会に貢献したいという思いから法学部法律学科を志望しました。
以前に比べてプラスチックレジ袋を利用している人がとても少なくなりました。その背景には容器包装リサイクル法の改正によりレジ袋の有料化が義務付けられたことがあると思います。実際コンビニエンスストアでのレジ袋辞退率は法改正によって28パーセントから75パーセントに増加しました。このように法の力により、人々の意識を変えていけるところに興味を持ち、私も法を学びたいと思うようになりました。
貴学の法学部では1年生から少人数演習を数多く取り入れており、他者との議論を重ね、新しいものの見方を学ぶことが出来、さらにダブルチャレンジ制度を利用して学びを拡げていけるところに魅力を感じています。私もそのような環境で学び、知識を得るだけではなく、柔軟な思考力を身につけ、未だ解決できていない環境問題を法律を利用して、解決へと導いていきたいです。
大学卒業後は、法学部で学んだことを活かして、社会のために、人のために力を尽くしていきたいです。その中でも、脱炭素社会の実現に携わるために、環境省の職員として働き、社会に寄与していきたいです。
法学部の大学入試志望理由書の添削・アドバイス
1. 段落ごとのテーマの明確化
各段落のテーマが明確になると、文章全体が読みやすくなります。例えば、最初の段落で志望動機、2段落目で法の力に対する関心、3段落目で大学のカリキュラムの魅力、4段落目で卒業後の目標というように整理することができます。
2. 表現の一貫性
文体や表現を統一すると、読み手により洗練された印象を与えます。以下の例をご参考ください。
修正例➀:「法の力により、人々の意識を変えていけるところに興味を持ち」という表現を、「法の力で人々の意識を変えられる点に興味を抱き」にすると、より自然で一貫した印象を与えます。
修正例➁:「私もそのような環境で学び、知識を得るだけではなく、柔軟な思考力を身につけ」という部分は「私もそのような環境で学び、知識を得るとともに柔軟な思考力を養い」などの簡潔な表現にすると、文章のリズムが良くなります。
3. 詳細な例の追加
プラスチックレジ袋の例を通じて法の力の影響を述べている部分はとても効果的です。ただ、もう少し具体的な法律分野の知識や関心について触れると、さらに志望理由が明確になります。たとえば、「環境問題における法律の役割に関心を持つようになったきっかけ」や、「特に取り組みたい環境法分野」について触れると良いでしょう。
4. 卒業後の目標をより具体的に
卒業後の目標について、「脱炭素社会の実現」や「環境省での役割」について、より具体的に述べると説得力が増します。
法学部の大学入試志望理由書の例の全体修正案
私は将来、環境省の職員として法律の観点から環境問題の解決に携わり、社会に貢献したいという思いから、法学部法律学科を志望しました。きっかけは、日常生活の中で法が人々の行動に与える影響力の大きさを感じたことです。
例えば、容器包装リサイクル法の改正により、プラスチックレジ袋が有料化され、多くの人がマイバッグを使用するようになりました。実際、コンビニエンスストアでのレジ袋辞退率は法改正によって28パーセントから75パーセントに増加しています。法が人々の意識を変える一因となっていることに関心を持ち、私も法律を通じて社会に貢献したいと強く感じました。
貴学の法学部では、1年次からの少人数演習やディスカッションを通じて、多様な視点を学べることに魅力を感じています。また、ダブルチャレンジ制度により他分野の知識も取り入れることで、幅広い視野を身に付けることができる点に強く惹かれています。貴学で学び、柔軟な思考力と深い専門知識を養い、未解決の環境問題に対し、法律を通じたアプローチで解決に貢献していきたいと考えています。
卒業後は、法学部で得た知識を活かし、脱炭素社会の実現に向けて環境省の一員として活動したいと考えています。政策立案や法律改正を通じて、人々の生活にポジティブな変化をもたらし、持続可能な未来を築く一助となりたいです。
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