ポスト・トゥルース社会と分断についての大学入試小論文解答例

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ポスト・トゥルース社会と分断についての大学入試小論文解答例です。

【問題】ポスト・トゥルース社会では人々の間で分断が生じやすいといわれる。課題文の内容を踏まえ、ポスト・トゥルース社会で分断が生じやすい原因とその対策についてあなたの考えを400~450字以内で述べなさい。
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ポスト・トゥルース社会と分断についての大学入試小論文解答例

SNSの普及により人々は限られた情報に囲まれた環境で生活する中で、ニュースに対して真偽よりも自身の感情との一致を求めるようになると筆者は述べている。この状況について、人は各個人が持つ情報の種類や量差によって全体で共有することのできる情報が少なくなるために真偽の判断も難しくなり分断が生じやすくなると考える。

例えば国際情勢における日韓の間で生じる記事を読む際に、同じ出来事についても記事を書く記者によって記事全体のニュアンスが肯定的か否定的か決められてしまう。また、記事を選択する際に自分の感情によって現時点、として次に閲覧する情報の方向性が自動的に定められてしまう。共通の認識や知識、情報を得る機会さえ失われていることが、ポスト・トゥルース社会を生み分断を乗じさせる原因なのだ。

これを防ぐためには同じ話題について複数の国のニュースや記事を比較するなど、自ら情報を多方面から収集し真実と差異を見つけ出す力が必要である。

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ポスト・トゥルース社会と分断についての講評・添削

文章の内容は非常に興味深く、ポスト・トゥルース社会における情報の扱い方やその影響について考察しています。以下、添削。

1. 構成の明確化
冒頭部分で述べている「筆者は述べている」という表現が、曖昧に感じられます。誰の意見かを明確にするか、もしくは自分の意見として主張する形にして文章を統一すると、読み手が意見の出所を理解しやすくなります。

例:「SNSの普及により、人々は限られた情報に囲まれ、ニュースの真偽よりも自身の感情との一致を重視する傾向が強まっている。」

2. 中央部分の具体性
「国際情勢における日韓の間で生じる記事」という表現は、具体的な例を示そうとしているものの、やや抽象的です。具体的な事例を挙げるか、より明確に「何が問題なのか」を示すと説得力が増します。

例:「例えば、日韓の歴史問題に関するニュースにおいて、同じ出来事を報じる記事であっても、記者やメディアの立場によってそのニュアンスは大きく異なる。」

3. 結論部の強化
最後の部分では「真実と差異を見つけ出す力が必要である」と述べていますが、この「力」が具体的にどのようにして養われるのか、もう少し具体的なアプローチを示すと良いです。

例:「この力を身につけるためには、異なる立場や国のニュースを意図的に読み比べたり、一次情報にアクセスする習慣をつけたりすることが求められる。」

4. 言い回しの改善
一部の表現が少し冗長に感じられるため、簡潔で力強い表現に変更すると読みやすさが向上します。

例:「共通の認識や知識、情報を得る機会さえ失われている」→「共通の認識や情報を得る機会が失われている」

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ポスト・トゥルース社会と分断についての全体修正案

SNSの普及により、人々は限られた情報に囲まれ、ニュースの真偽よりも自分の感情に合った情報を求める傾向が強まっている。この状況において、各個人が持つ情報の種類や量の差が、社会全体で共有できる情報を減少させ、真偽の判断が難しくなることで分断が生じやすくなると考えられる。

例えば、日韓の歴史問題に関するニュースにおいて、同じ出来事を報じる記事であっても、記者やメディアの立場によってそのニュアンスは大きく異なる。さらに、SNSのアルゴリズムは、ユーザーの感情や興味に基づいて次に表示される情報を自動的に決定してしまうため、異なる視点に触れる機会が減少している。この結果、共通の認識や情報を得る機会が失われ、ポスト・トゥルース社会が加速し、分断が深まっている。

これを防ぐためには、異なる立場や国のニュースを意図的に比較し、多方面から情報を収集する力を養うことが重要だ。そのためには、メディアリテラシーを高め、一次情報にアクセスする習慣を身につけることが求められる。

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