【2022年度】佐賀大学農学部の小論文解答例「日本農業の未来」

2022佐賀大学農学部小論文アイキャッチ画像 小論文
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今後の農業の発展についての大学入試小論文解答例です。

下記から選んだ最低3つのキーワードを入れて,今後の日本農業の展望や進むべき方向など,日本の農業の未来についてまとめて述べよ。「SDGs,大規模化,IT,6次産業,エネルギーの自由化,スマート,IoT,貿易,植物工場,有機栽培,電化,ロボット,太陽光パネル,ブランド,人口,技能労働者,流通,輸送,地球温暖化,AI,遺伝子組換え,育種,生物多様性,耕作放棄地,食料自給率,COP26」〔800字程度〕

(改題)世界の人口が爆発的に増加し、気候変動に直面している現在、農業は今後どのように発展していくべきか、あなたの考えを800字以内で述べなさい。(句読点も字数に含まれる)
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【ある人の例】今後の農業の発展についての解答例

私は、農業の今後は、現在ある農地面積は変えず、面積当たりの収穫量を増加させるための品種改良を行い発展すべきだと思う。

理由は、人類は食料が不足した際の解決札として、農地の拡大を行ってきた。しかし、農地を開拓するために森林を伐採する。その結果、光合成量が減少し二酸化炭素が増加したことで地球温暖化が進行したからだ。また、2050年には世界人口は90億人を超えるとされている。そのため、森林を農地にするだけでは、食糧不足の解消に直結しないからだ。

農地の拡大を目的とした森林の過剰な伐採により、動植物と人間の共存がうまく行われていないのが現状だ。住み家や生息範囲を失った動植物は絶滅の危機にある。時に、食料を求めて住宅地に迷い込んだ野生動物が人間に危害を加えることもある。日本でも山から下りてきた熊や猿がごみ箱をあさったり、人に襲い掛かったりしている姿が報道されている。また、日本では稲を中心に多くの農家が農地を手放している現状がある。背景には、高齢化と農家の後継ぎがいないことが挙げられる。

以上の現状を解決するため、農地免疫を変えないことで動植物との共存関係をさらに悪化させることを防ぐことが必要だ。また、森林を伐採しないため、地球温暖化対策としても効果的だ。そして、品種改良により栽培量が増加することで、農家の収入増加が可能だ。農地面積は変わらないため、面積を拡大して行うよりも圧倒的な時短と人手不足の解消にもなると予想される。

このように、収穫量を増加する品種改良を進めることで、自然の動植物と人間の生活の両方の将来を見据えた食料供給を行うことが可能だ。したがって、私は品種改良をすべきだと考える。

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【添削・アドバイス】今後の農業の発展について

1. 導入部分の具体性を高める
最初の一文がやや抽象的です。「なぜ面積を変えずに収穫量を増やすべきか」を簡潔に示すと、いいですね。

:「農業の未来を考える際、持続可能性と収穫量の向上が重要だ。そのため、農地面積を増やさず、品種改良によって面積当たりの収穫量を増加させる方法が有効だと考える。」

2. 因果関係を整理する
「農地拡大による森林伐採→地球温暖化」という部分を簡潔かつ論理的に表現すると、説得力が増します。

例:「農地拡大のための森林伐採は、光合成量の減少を招き、結果として二酸化炭素濃度の上昇による地球温暖化を加速させる。」

3. 段落間のつながりを強化
現状分析(動植物との共存問題や農家の課題)を述べる部分で、各問題のつながりがやや弱い印象を受けます。つなぎの文を加えることで、スムーズに読めるようになります。

例:「さらに、森林伐採の影響は環境問題にとどまらず、動植物との共存関係にも悪影響を及ぼしている。」

4. 提案部分の具体例を加える
「品種改良」の具体的な方向性やメリットを示すと、説得力が増します。

例:「例えば、高収穫量の稲や、干ばつや病害に強い小麦などの開発は、収穫量の増加だけでなく、農家の経済的安定にもつながる。」

5. 結論部分を簡潔に締める
最後の段落がやや長いので、簡潔に要点をまとめると印象が強まります。

例:「以上の理由から、品種改良を進めることで、地球環境の保護と食料供給の安定、さらには農業の持続可能な発展が可能になると考える。」

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【全体修正案】今後の農業の発展について

農業の未来を考える際、持続可能性と収穫量の向上が重要である。そのため、農地面積を増やさず、品種改良によって面積当たりの収穫量を増加させる方法が有効であると考える。

農地拡大による森林伐採は、光合成量の減少を招き、結果として二酸化炭素濃度の上昇による地球温暖化を加速させてきた。また、2050年には世界人口が90億人を超えると予測されており、食料の需要が急増する一方で、森林伐採による農地拡大は限界を迎えつつある。このような状況下では、農地を増やさずに収穫量を高めることが不可欠である。

さらに、森林伐採の影響は環境問題にとどまらず、動植物との共存関係にも悪影響を及ぼしている。住処を失った動植物は絶滅の危機に瀕し、人間の生活圏に侵入することで被害を引き起こす事例も増加している。日本でも、山から下りてきた熊や猿による被害が報道されている。一方、国内の農業では高齢化や後継者不足が進行し、多くの農地が放棄されているという課題もある。

これらの課題を解決するためには、農地面積を維持しつつ、収穫量を増加させる品種改良が有効である。例えば、高収穫量の作物や、干ばつや病害に強い品種の開発は、農家の収入向上だけでなく、人手不足や作業効率の改善にもつながる。また、森林を守ることで地球温暖化対策にも寄与でき、動植物との共存も可能になる。

以上の理由から、品種改良を進めることで、地球環境の保護と食料供給の安定、さらには農業の持続可能な発展が実現可能であると考える。

小論文
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