難民問題についての大学入試小論文解答例です。
難民問題について
彼ら難民とよばれるノーマンたちは何者でもない人たちである。ゆえに、何者でもない、ただの人間である彼らは、ほかの誰よりも人権によって護られる必要があるのだが、 市民や国民である者たちの特権である人権の背理によって、帰るべき国を持たないノーマンたちには行き渡っていない。
このことから私は、難民いわゆるノーマンの人たちには、より人権を護るために国際機関の努力が必要であると考える。そもそも、人権は人間が生まなからにしてもつ権利である。そのため、すべての人間はこの普遍権利である人種を護るのが、国家や国家機関の役割の1つである。しかし、帰るべき国を持たない難民いわゆるノーマンたちは、そうした人権を誰よりも護られるのを必要としている。それにも関わらず、人権を護るはずの国家は、彼らを「国民」ではないとして、彼らの人権を保障するところが、逆におびやかしている。また、国際援関も資金難や機能不全により、彼ら難民に対する支援が不十分のままになっている。
彼ら難民は、私たち同じ人間であり生まれなからにして人権という同じ権利をもっている。しかし、彼らは、その権利が危機的状況にある。そうであるにも関わらず、国家からは、人権を保障されず、国境間にある「ノーマンズランド」におしやられ、人間としての権利を失っている。国家の「国民」ではないから「人間」ではないという考えがそうさせてしまっているのだ。
講評一部抜粋
「国際機関の努力が必要である」と述べているのですから、具体的にどうしていけばいいのか、仁応くんの見解を述べてほしかったです。ここを大学側は、知りたいのです。つまり、点数の差がつくところです。
よくある間違った具体策
国際機関が支援を続ける。
↓
・国際機関は、ノーマンたちを永遠に支援し続けるのでしょうか?そもそも、資金や資源はどこから調達するのでしょうか?
・ノーマンたちは、人権を回復できるのでしょうか?どの国の国民にするのでしょうか?
題意は、「人権の彼岸に置かれている現状」についての見解です。人権をどう回復させるか、人権を護るかということですね。客観視する、援助するだけでは、解決策にはなりえないのかな。生活は守られても、人権は回復できません。
<新たな視点>
・国を作ってあげる。当然、建国当初は資金や人材の提供も必要。
・先進国で協力して、ノーマンを受け入れる。※特に、日本は、難民の受け入れが極端に厳しく、日本の難民認定率がたった0.2%という現実も知っておきましょう。
・地球人一人ひとりが当事者意識を持つことが大事。そして、自分に何ができるかを考え、自分ができることをする。
・全世界の国境を改めて、引き直す。今の国境は、そもそも旧来(近代)の先進国が、自国の利益のために引いたものも多い。アフリカや東南アジアなど顕著ですよね。
など。
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