【2020年度】北海道情報大学経営情報学部・医療情報学部・情報メディア学部の小論文解答例「インターネットの利用について」改題です。
【改題】平日の主な4つのメディアの利用状況に関する調査結果である。全調査対象者は1500人であり、全員が2日間にわたって行われた調査に回答した。これらの表を読み取り、あなたが考えたことを800字以内で述べなさい。
【ある人の例】インターネットの利用についての小論文解答例
表1、2から、世代が上がるごとにテレビ視聴時間と新聞閲読時間、そしてその行為者率も増加していることがわかる。これは現在と昔における技術の差によるものであると考える。
現在では様々な媒体で多くのことが可能となった。例えば、インターネットを使った情報発信や情報収集といったことだ。50代、60代が若者であった頃には、テレビの普及が活発でありその時代における新媒体だった。そのことが表の調査に繋がっているのだと考える。
また、60代ともなると仕事が定年を迎え、自由な時間が増える。若者は仕事や学生の活動が大きい分60代より自由時間が少ない。それにより自宅で視聴できるテレビの割合が若者より多いのも調査結果の要因であり、若者の新聞閲読が低く、世代が上がるごとに増加するのもそのことが影響していると考える。家におらずともスマートフォン片手に利用可能な方法が現代において適当である。
一方で、近年の若者の活字離れが問題になっている。新聞や本といった紙媒体での活字を読むことが減少しているのだ。しかし、現在は、それがインターネットに代わっただけであって、文字に触れる機会は増えているという調査結果もある。さらに、インターネットの登場は、新聞やテレビなどで得られる情報よりも早く、そして多く入手可能にした。
以上により、若者がインターネットという便利な媒体を利用するのは自然な流れだと考える。
【添削・アドバイス】インターネットの利用について
1. 図表の読み取りの明確化
冒頭の「表1、2から…」という部分で、どのようなデータが示されているのかを簡潔に説明すると、いいですね。
例: 「表1、2のデータから、年代が上がるにつれてテレビ視聴時間や新聞閲読時間、さらにはこれらの行為者率が増加していることが明らかとなった。」
2. 因果関係の明確化
「これは現在と昔における技術の差によるものであると考える。」という一文がやや抽象的です。「技術の差」を具体的に説明し、その因果関係を明確にしましょう。
例: 「この傾向は、世代ごとの技術環境やメディア利用習慣の違いによるものであると考えられる。」
3. 時代背景の補強
50代・60代が若者だった頃の背景説明がやや薄いため、少し具体的な例を挙げると説得力が増します。
例: 「50代・60代が若者であった頃、テレビは家庭における主要な娯楽であり、情報源としての役割も大きかった。そのため、これらの世代はテレビ視聴の習慣が強く根付いていると考えられる。」
4. 若者の自由時間についての説明補強
「若者は仕事や学生の活動が大きい分…」という部分はもう少し具体的に言い換えることでわかりやすくなります。
例: 「若者世代は、学業や仕事、友人との交流など多岐にわたる活動で忙しいため、自宅でテレビや新聞に触れる時間が相対的に少ないと考えられる。」
5. スマートフォンやインターネットの説明強化
「スマートフォン片手に利用可能な方法が現代において適当である。」という表現はやや曖昧です。具体的に「どのように適当なのか」を示しましょう。
例: 「一方で、スマートフォンを活用すれば、通学や通勤などの隙間時間でも情報収集が可能であり、現代のライフスタイルに適合した方法となっている。」
6. 若者の活字離れの議論の整理
活字離れに関する議論は重要ですが、「インターネットに代わっただけで…」の部分が少し急ぎすぎて結論を述べている印象です。インターネットで触れる活字の量や質についても触れると良いでしょう。
例: 「確かに近年、若者の紙媒体離れが問題視されている。しかし、インターネットの普及により、デジタルフォーマットで文字に触れる機会はむしろ増えているとの調査結果もある。例えば、ニュースアプリやSNSの投稿を通じて、多種多様な情報を日常的に目にする機会が増えている。」
7. 結論部分の強化
最後の結論部分がやや簡略化されているため、議論全体を締めくくる形にするとより効果的です。
例: 「以上の点から、若者がインターネットという便利な媒体を積極的に利用することは、技術進化に伴う自然な変化であると考えられる。一方で、紙媒体が持つ深い洞察力や集中力を育む効果も見逃すべきではない。これらの特性を活かし、デジタルと紙媒体をバランスよく活用することが重要であろう。」
8. 一文が長くならないように、こまめに文を切りましょう。
「~し、」「~ため、」「~だから、」と使うと長くなる傾向があるので、そこで文を一旦切ることを頭の片隅に
原文: 例えば、ネットワーク環境がよい所でなければ情報を調べることができない点や字ではなく音で情報得ることができるため、語彙力の低下につながったり、ブルーライトによって若者の視力が低下しているといったデメリットがある。
例: 例えば、ネットワーク環境がよい所でなければ情報を調べることができない点だ。また、字ではなく音で情報得ることができるため語彙力の低下やブルーライトによる若者の視力の低下といったデメリットがある。
【全体修正案】インターネットの利用について
表1、2のデータから、年代が上がるにつれてテレビ視聴時間や新聞閲読時間、さらにはこれらの行為者率が増加していることが明らかとなった。この傾向は、世代ごとの技術環境やメディア利用習慣の違いによるものであると考えられる。
現在では、インターネットを活用した情報発信や収集が一般的となり、若者世代はこれらの利便性を享受している。一方で、50代・60代が若者であった頃には、テレビが普及し、家庭における主要な娯楽および情報源となっていた。そのため、これらの世代はテレビ視聴の習慣が強く根付いていると言える。
また、60代では定年退職によって自由時間が増える一方、若者世代は学業や仕事、交友関係などの活動に忙しいため、自宅でテレビや新聞に触れる時間が相対的に少ないと考えられる。一方で、スマートフォンを活用すれば通勤や通学の隙間時間でも情報収集が可能であり、現代のライフスタイルに適合した方法となっている。
近年、若者の活字離れが問題視される一方で、インターネットの普及により、デジタルフォーマットで文字に触れる機会はむしろ増えているとの調査結果もある。例えば、ニュースアプリやSNSを通じて、多種多様な情報を日常的に目にする機会が増えている。さらに、インターネットでは新聞やテレビ以上に速く、多様な情報を得られるという特徴がある。
以上の点から、若者がインターネットという便利な媒体を積極的に利用することは、技術進化に伴う自然な変化であると考えられる。一方で、紙媒体が持つ深い洞察力や集中力を育む効果も見逃すべきではない。これらの特性を活かし、デジタルと紙媒体をバランスよく活用することが重要であろう。
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