【2022年度】八戸学院大学健康医療学部の小論文解答例「出生前診断」

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出生前診断の是非についての大学入試小論文の解答例です。

【問題】「<社説>出生前診断:当事者への支援十分に:東京新聞 Tokyo Web」の記事の論旨(主張したいこと)を挙げ、それに対するあなたの考えをで述べなさい。
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八戸学院大学健康医療学部(2022)の小論文解答例「出生前診断」

出生前診断とは胎児が生まれる前から障害の有無を判定できる検査であり、これによって両親が出産するか否かを事前に判断することができる。高齢出産の増加や医療の進歩によって、広く利用されるようになったがそこには問題点がある。

具体的にはインターネットを通じて不正確な情報の流失、それによる障害への誤解などである。本文ではこれに対して正確な情報を公表すること、妊婦が安心して利用できる施設を設け、重大な決断を支援することの重要性を主張している。

これを踏まえ私は、本文で言及されている取り組みも必要であるがより良心への継続的な支援ができる体制を整える必要があると考える。そうすることで一人でも多くの人が安心して過ごせる成熟社会に近づくことができると考えたからだ。

実際、出生前診断における決断は出産するか否かに限らず人生を左右する選択である。仮に産むという決断に至った場合、その後の育児における負担は大きく両親の就労形態もガラリと変わってしまう。また、産まないという決断をした場合にも人工妊娠中絶が伴い、これはその後の不妊を導く可能性が高い。こうした理由から両親への継続的な支援を行う必要があると考える。

例えば産む決断をした場合にも両親が自己実現し続けられるように、障害児の預かりサービスなどを充実させるべきだ。そうすることで療養支援だけでなく診療援助もでき緊急時にも対応がしやすくなる。そして妊娠を経験した妊婦には精神的なサポートのため職場での休息期間を十分に設けるなどの工夫が必要であろう。

以上のようなサポートをすることが出生前診断における両親へのケアになると考える。

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八戸学院大学健康医療学部(2022)の小論文解答例の添削・アドバイス

1. 導入部の明確化
冒頭での出生前診断に関する説明は分かりやすいですが、その後の「問題点がある」の部分をもう少し具体化すると良いでしょう。問題がどのように社会に影響を与えるのか、またなぜその問題が重要なのかを示すことで、採点官に強い印象を与えられます。

例:「出生前診断は高齢出産の増加や医療技術の進歩によって普及し、命に関わる重大な判断を事前に行うことが可能になった。しかし、この検査には重大な倫理的・社会的な問題が存在し、特に障害に対する社会の偏見や誤解が広がる危険性が指摘されている。」

2. 具体例の追加
インターネットによる不正確な情報の流布や誤解について触れていますが、具体的な例を挙げると、読者により深い理解を促すことができます。

例:「例えば、インターネット上で出回る誤った情報により、特定の障害が過剰に恐れられ、診断結果を受けた両親が不必要な不安を抱くケースが増加している。」

3. 結論部の強化
結論に向かう段階で、支援がなぜ社会の成熟に寄与するのか、もう少し踏み込んで説明するとより説得力が増します。また、「職場での休息期間」などの具体的な政策提案について、他の国の事例や実施済みの施策に触れることで、現実味が増すでしょう。

例:「これらのサポートを充実させることで、両親は自分たちの生活を犠牲にせず、社会全体が共に子育てを支える姿勢を取れる。例えば、北欧諸国ではすでに障害児を持つ両親に対する福祉制度が整備されており、その結果、両親の自己実現や精神的安定が図られている。日本も同様のシステムを採用することで、社会全体が安心して子育てできる環境づくりに寄与するだろう。」

4. 一部文法や語句の修正
・「本文ではこれに対して正確な情報を公表すること、妊婦が安心して利用できる施設を設け〜」の部分は、「本文では、これに対して正確な情報の提供と、妊婦が安心して利用できる施設の設置〜」とした方が読みやすいです。
・「精神的なサポートのため職場での休息期間を十分に設けるなどの工夫が必要であろう」の「であろう」は少し曖昧に感じるため、「設けることが必要である」と断定的にすると、提案が強調されます。

■全体の改善後のイメージ
・導入で問題の具体性を深め、なぜその問題が重要なのかを説明。
・インターネット情報の具体例や事例を挙げ、問題をより深掘り。
・結論に向けて他国の事例や現実的な提案を加え、説得力を高める。

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