理想の獣医師像についての大学入試小論文解答例です。
理想の獣医師像について
近年、獣医師業界では産業獣医師の不足が問題視されている。小動物臨床医の割合は増加している一方で、産業獣医師の割合が減少している。原因として、ペットブームによる産業獣医師の減少を背景に、業務増加とそれに見合わない所得があげられる。この問題から獣医師として何が必要なのだろうか。また獣医師としての理想像は何なのだろうか。
一般に、小動物臨床医は猫や犬などのペットとして飼われている動物たちの健康を守る仕事であり、産業獣医師は、牛や鶏などの家畜動物の健康を守る仕事である。やはり、診察する動物たちをみても小動物臨床医の方が身近に感じる。そのことから、近年のペットブームとも重なり、小動物臨床医の割合が増加している心理的要因だと思う。
では、産業獣医師は私たちの身近にない存在なのだろうか。先ほども述べたように産業獣医師は家畜動物の健康を守る。裏を返すと、これは私たち消費者の健康を守ることである。例えば、私たちは、牛肉・豚肉などを購入する際、海外産よりも少し値段の高い国産の肉を選ぶことが多い。なぜなら、安全で美味しいという安心感があるからである。他には、卵を買うとき海外産のものはないことがあげられる。これは、海外では生卵を食べない。その背景には、海外の養鶏場の衛生環境から食中毒などを引き起こす可能性があるため食べないという状況が生まれた。産業獣医師の仕事はペットを飼っていない人にも身近なものであることがわかる。
産業獣医師を取り巻く状況は、以上のようであるが、私の獣医師としての理想像は、所得よりも命を守る獣医師である。守るべき命や救える病気があるならば、助けを待っている動物たちの所へ行きたい。結果として、消費者である私たちの安全や安心を守ることにもつながる。だからこそ、私は産業獣医師となり多くの動物の健康を守りたい。
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