【2022年度】東京医療学院大学保健医療学部の小論文解答例「セカンドオピニオン」です。
東京医療学院大学の小論文解答例(2022)「セカンドオピニオン」
本文において筆者は認知症の患者に対し、自らの一方的な意見を押し付けることをせず、手を握り相手に共感するような行動をとっている。私も筆者のように、認知症の人に対しては相手の気持ちに少しでも寄り添う行動が必要であると考える。そうすることで、行動が読みにくい認知症の人にも思いに寄り添った行動ができると考えるからだ。
私は以前デイケアで認知症を患う女性の介助を行ったことがある。初めは認知症の患者だからと少し不安に感じていたが、なるべく相手に寄り添ったサポートをしようと、女性の行動を注意深く見るように心がけた。そうすることで、女性はいつも自ら同じ席につき、食事を行なっていることに気づくことができた。こうした女性のこだわりに気づいたことで女性の意思を少しでも理解した行動につながったと思う。
現状、高齢化によって認知症の人が増えている。しかしそうした患者の多くが世話が困難な人としてみなされ、本人ではない周囲の人の判断によって暮らし方までもが決められてしまうことも多い。認知症の患者は意図や意向が伝わりづらいが自分の欲求や思いは抱えているはずだ。よって一方的ではなく相手に寄り添った気づきが必要になるはずだ。
したがって認知症の患者に関わるには少しでも相手の思いを推測った行動や共感する姿勢が相手の意思を尊重し、相手にとっても安心感に繋がるはずだ。看護師としてもこうした相手の思いを踏まえた行動をすることを心がけていきたい。
東京医療学院大学の小論文解答例(2022)「セカンドオピニオン」の添削・アドバイス
1. 語句の繰り返しを減らす
「思い」「寄り添う」といった表現が何度か繰り返されているので、他の言葉に置き換えると読みやすくなります。
例えば、「寄り添う行動」を「心に寄り添った対応」や「相手を尊重した対応」などにすると、変化が生まれます。
修正前:相手に寄り添う行動が必要であると考える。そうすることで、行動が読みにくい認知症の人にも思いに寄り添った行動ができると考えるからだ。
修正後:相手を尊重する姿勢が重要であると考える。そうすることで、行動が読みにくい認知症の人に対しても、心に配慮した対応ができるからである。
2. 表現をより具体的に
「一方的ではなく相手に寄り添った気づきが必要」とありますが、「気づき」が曖昧に感じるかもしれません。「相手のペースに合わせた対応」や「行動を注意深く観察する姿勢」といった具合に、どのような気づきか具体的に述べると、内容がより明確になります。
修正前:一方的ではなく相手に寄り添った気づきが必要になるはずだ。
修正後:一方的な判断ではなく、相手の行動や表情に注意を払い、そのペースに合わせる姿勢が求められるはずだ。
3. 文のつながりを自然にする
「したがって認知症の患者に関わるには~」と始まる文が少し急に感じられるかもしれません。「だからこそ」「そのため」といった語句で繋ぎ、文章全体の流れをさらに滑らかにしましょう。
修正前:したがって認知症の患者に関わるには少しでも相手の思いを推測った行動や共感する姿勢が相手の意思を尊重し、相手にとっても安心感に繋がるはずだ。
修正後:そのため、認知症の患者に関わる際には、少しでも相手の気持ちを汲み取る行動や共感を示す姿勢が、患者の安心感に繋がるはずだ。
東京医療学院大学の小論文解答例(2022)「セカンドオピニオン」全体修正案
本文において筆者は、認知症患者に対して一方的な意見を押し付けず、相手の手を握り共感を示す行動をとっている。私も筆者のように、認知症患者に対しては相手の心情に寄り添う姿勢が重要であると考える。こうした行動により、意思疎通が難しい認知症の方に対しても配慮のある支援が可能になるからである。
私自身、以前デイケアで認知症を患う女性の介助をした経験がある。当初は認知症の患者との接触に少し不安を感じていたが、相手の行動や表情を丁寧に観察し、その人らしさを尊重したサポートを心がけた。その結果、女性がいつも同じ席で食事をすることを大切にしていると気づき、そのこだわりを尊重する対応が取れるようになった。
現在、認知症患者の数は高齢化によって増加しているが、彼らがしばしば「世話が困難な人」とみなされ、周囲の判断で生活の細部まで決められてしまうことも少なくない。しかし、認知症の方々にも自分の意図や希望があるはずである。そのため、相手のペースや好みに合わせた対応が求められると考える。
したがって、認知症の患者と接する際には、相手の気持ちに配慮した行動や共感的な姿勢が重要であり、こうした姿勢が患者の安心感や信頼関係に繋がる。私も今後、看護師として認知症患者の気持ちを尊重し、その人らしい生活を支援するための行動を心がけていきたいと考えている。
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