「インフルエンサーマーケティング」についての大学入試小論文解答例です。
【ある人の解答例】インフルエンサーマーケティングについて
私は、自社で人気の高いチョコレートを主要とした商品を、インフルエンサーにSNS上で宣伝してもらう。そして、その商品の新作をインフルエンサーと共同開発しようと考える。チョコレート商品を採用する理由は、チョコレートはどの世代でも好きな人が多いお菓子だからだ。
TesTee Labが行った「お菓子に関する調査」の「一番好きなお菓子のジャンル」では男女ともに「チョコレート」と答えた人が最も多く、10代女性で34.6%、10代男性で33.3%と、若年層からは特に人気が高かった。また、既に自社で販売しているチョコレート菓子の宣伝だけでなく、インフルエンサーと期間限定の新作商品の共同開発も行う。なぜなら、若者は「期間限定」、「新作」、「コラボ」という言葉に惹かれやすい、という特徴を持っているからだ。
以上のことから、10代から20代の層を多く抱えていて、お菓子作りに精通しているインフルエンサーの起用を行う。さらに、SNS上の滞在時間が増えているという点を活かし、インターネット上でのインフルエンサーによる宣伝を依頼する。そして、インフルエンサーのPR投稿からユーザーを自社のオンラインショップに直接遷移させようと考える。なぜなら、そうすることで商品への興味関心の熱量を低下させず、そのまま商品購入に繋げやすいと考えるからだ。
実際に、テレビ番組『坂上&指原のつぶれない店』に出演したお笑い芸人のぼる塾・田辺智加が「YATSUDOKI」の食品開発部と新商品の開発を行っていた。そして、発売が決定した後、SNS上では大きな反響を呼んでいた。
確かに、インフルエンサーとのコラボレーションの際に炎上が起こってしまったり、コストが多くかかったりしてしまうかもしれない。しかし、コラボレーションを行う際に、確実なインフルエンサーの見極めや、事前の打ち合わせなどを慎重に行うことで、結果的に大きな利益に繋がると考える。
以上のことから私は、インフルエンサーに自社の人気チョコレート商品を宣伝してもらう。さらに、期間限定新商品の共同開発を行う。
【講評・添削一部抜粋】インフルエンサーマーケティングについて
<講評>
インフルエンサーマーケティングを活用した具体的な戦略について述べており、特にチョコレート商品に焦点を当てた点が良かったです。
チョコレートという具体的な商品に焦点を当てることで、論文が具体性がある点、 TesTee Labの調査結果を引用して、チョコレートの人気を裏付けていることが説得力を高めている点、テレビ番組での成功事例を引用することで、戦略の有効性を具体的に示している点は高評価です。
<より高得点を目指して>
【1】一部の主張に対する根拠やデータが不足しています。例えば、若者が「期間限定」や「新作」に惹かれやすいという点、またインフルエンサーの影響について、説明があると説得力が増します。
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(例文)
若者が「期間限定」や「新作」に惹かれやすいという主張には、具体的な調査結果が存在します。例えば、2020年に行われたA社の調査によると、10代から20代の消費者のうち、約60%が「期間限定」や「新作」というキーワードに対して興味を持ち、実際に購入行動に移した経験があることが明らかだ。
また、インフルエンサーの影響力についても同様に重要なデータがあります。例えば、インフルエンサーマーケティングの専門機関であるB社の2021年のレポートによれば、18歳から24歳の若者の約70%が、インフルエンサーの推奨する商品に対して購入意欲を持つとされている。このレポートは、若者の購買行動がインフルエンサーの影響を大きく受けることを示しており、「期間限定」や「新作」という要素と組み合わせることで、その効果がさらに増幅されることを裏付けている。
【一般論】インフルエンサーマーケティングのリスクに対する具体的な対策
徹底的な事前調査
インフルエンサーの過去のSNS投稿やメディア出演内容を精査し、ブランドイメージと一致するかを確認します。特に、倫理的に問題がある発言や行動がないかを慎重にチェックします。
契約書の明文化
インフルエンサーと契約を結ぶ際に、ブランドの価値観や倫理基準に従うことを明記した契約書を作成します。これにより、インフルエンサーが不適切な行動を取った場合の対処方法を明確にします。
透明性の確保
インフルエンサーが広告やプロモーションを行う際に、それが広告であることを明確に表示するように指導します。これにより、消費者に対する透明性を保ち、誤解を防ぎます。
<添削1>
(原文△)TesTee Labが行った「お菓子に関する調査」
(修正案)若年層(10代、20代)を調査するアンケートメディアであるTesTee Labが行った「お菓子に関する調査」
➨TesTee Labは、まだ国民に認知された企業でないため、どんな企業なのかを最初に簡単に説明した方がいいです。
(例)NHKが番組内で行った「お菓子に関する調査」などであれば、説明はいりません。
<添削2>
(原文△)お笑い芸人のぼる塾・田辺智加
(修正案)お笑い芸人のぼる塾・田辺智加氏
(修正案)お笑い芸人のぼる塾・田辺智加さん
➨著名人であっても、個人名には「氏」「さん」をつけるのが一般的です。その人が「教授」「博士」「弁護士」などであれば、その職業名をつけましょう。(例)田辺智加教授
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