読書を愉しむことについての大学入試小論文解答例

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読書を愉しむことについての大学入試小論文解答例です。

【文章要約】本、とくに古典とのつきあいは、人間どうしの関係に似ており、読むたびに新鮮なおどろきに出会いつづける。書物は私たち側が自ら読むことを待っている。しかし、私たちがある本に関する知識や「すじ」を知るだけでは、その本がどのように書かれているかを自分で把握するという愉しみを味わうことはできない。長いつきあいによって書物がかけがえのない友人になり、すぐれた本ほど読み手の需要次第であたらしい顔でこたえてくれる。

【問題】この文章を読んで、本を読む愉しみとは何か、その愉しみを味わうためには何が必要か、筆者の考えをまとめた上で、それに対するあなたの考えを800字以内で述べなさい。

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読書を愉しむことについて

【主張】私にとって、本を読む愉しみとは、本が書かれた時代の特徴や価値観にふれることである。そしてそれを後世に語り継ぎ共有することが、言語文化の継承につながると考える。

【根拠・体験談】竹取物語を例にとってみる。私は中学二年生の時に、竹取物語とかぐや姫との違いについてグループ学習で探求した。物語が書かれた平安時代の和歌や、帝を始めとする宮中の仕組み、さらに当時の人々の恋愛に関する考え方をこの物語から学んだ。さらに、かぐや姫と異なる結末を知ったことが嬉しく、その時の感想を下級生や家族に語ったことを今でも覚えている。

【反駁】たしかに、人の感性や考え方は時代と共に変わっていくので、古典作品は現代に必要ないという人もいるだろう。しかし、私は、変化の激しい現代だからこそ、古典作品を読み、現代の言葉が構築される以前にどのような言語が使われ、そして人々がどのような価値観をもっていたのかという自国への理解が必要であると考える。日本に留学してくる外国人学生たちは、母国の文化の変遷に精通している。

【展開】よって、彼らと交流するときに、日本の言語文化の代表ともいえる古典についての教養がなければ、「猿まね日本人」と思われてしまう。そして筆者が文中で述べているように、本とのつきあいは人間どうしの関係と似ている。私たちは本を読むたびに新鮮な発見と出会う。そうした発見を他者に伝えることで、後世の人々に過去の言語と文化が継承されていくのである。

【まとめ】世界には長い歴史をもち、少しずつ変化してきた言語や、その言語の影響を受けてきた文化が多く存在する。人は、本を読み古の文化に思いを馳せる人々が、それを他者に語り継ぐことで言語文化の継承を担ってきたのだと思う。人間の一生は短く、同じ時代に生きる人々の価値観だけではわずかな知識しか得ることができない。よって、その先人たちから伝えられた言語文化を、今度は私たちが守り、未来に伝えていくべきであると考える。

小論文
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