男女格差についての大学入試論文解答例【全学部共通】です。
男女格差についての小論文解答例
図1を見ると、女性の家事時間がどの国も同じくらいだが、男性の家事時間を見ると、日本は最も少ないことがわかる。また、図2を見ると、日本の女性が全体的に見て、睡眠時間が少ないことがわかる。ここから、日本の家事は女性がするものという考え方から女性の睡眠時間の不足という問題があることがわかる。これは言わば、男女格差である。それでは今から、家事の問題と睡眠時間の問題がどのようにすることで解決するのかについて論じていく。
まず、なぜこのように日本は女性の家事時間が男性と差が出ているか、その原因は文化が関係している。日本では昔から女性が家事をして、男性が働きに出るという文化が当たり前としてあった。時代の流れによってその文化は少しづつなくなっていき、女性も働くようになっている。しかし、まだまだその文化は消えておらず、このような家事時間の男女の差が出てしまっている。また、女性には男性にない妊娠や出産がある。それにより仕事を休まなくてはならない。その出産後にうまく仕事に復帰することができず、そのまま今で子育て、家事をするということもある。
では、これらの原因や問題を具体的にどうすれば解決できるだろうか。私はこれらを解決するために、女性が家事をするものという古い考えを変え、男性と女性の家事をする比率を均等にする。また、女性が社会復帰しやすくするための環境が必要になってくると考える。
たしかに、女性の方が家事が上手だから自分がするよりも女性がする方が早くできるという意見もある。しかし、男性も初めからあきらめるのではなく、できるようになるための努力をしなければならない。さらに、女性が出産後に仕事に戻ったとしても役に立たないと思う女性もいる。その考えやイメージをどうにか変えなければこのまま女性は家から出なくなってしまう。例えば、女性が出産後に仕事をしながら会社で子育てできるような環境にしたり、男性も育児休暇を取るように会社から推奨したりすることで大幅に女性の家事時間が減ることになる。
このようなことから、私は女性と男性の家事時間を均等にする。また、女性が出産後に社会復帰しやすい環境を作ることが必要だと考える。
男女格差についての小論文の採点と解説(抜粋)
全体として、問題提起と解決策が明確であり、論文の構成もわかりやすいです。男女の家事時間の不平等やその文化的背景、そしてそれを解決するための提案についてよく論じています。
【より高得点を目指して】
【1】文化的な背景から解決策への移行がやや唐突に感じられます。もう少し論理の流れを整理し、段階的に議論を展開すると読みやすくなります。
↓
(例文)
日本では昔から女性が家事をして、男性が働きに出るという文化が根付いている。この文化は少しずつ変わりつつあるが、依然として女性が多くの家事を担っている現状がある。このため、女性の睡眠時間が短くなる傾向が続いている。では、この問題をどのように解決すればよいだろうか。次に、具体的な解決策について考えてみる。
【2】提案している解決策について、もう少し具体的な施策や成功事例を挙げると説得力が増します。
↓
(例文)
例えば、スウェーデンでは育児休暇を男女平等に取得できる制度が整っており、これにより家事の分担が進んでいる。また、日本でも一部の企業で導入されている「在宅勤務制度」や「フレックスタイム制」を広げることで、子育て中の女性が働きやすくなる環境を作ることが可能である。
【講評のハイライト】
(略)構成を変えるだけで印象がガラリと変わると思います。【構成案】を参照に。「こうすべき」ということではありませんが、いい構成が浮かばないときは、(略)
【添削①】
(原文×)時代の流れによってその文化は少しづつなくなっていき、
(修正案)時代の流れによってその文化は少しずつなくなっていき、
⇒時代の変化で「づつ」も使用され始めていますが、文部科学省(文化庁)発表の現代仮名遣いに関する内閣告知では「ずつ」となっているので、小論文では「ずつ」を使用しましょう。
コメント