【2021年度】同志社大学社会学部の小論文解答例「障害者福祉」

同志社大学社会学部小論2021アイキャッチ画像 小論文
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【2021年度】同志社大学社会学部の小論文解答例「障害者福祉」です。学校推薦型選抜です。

【問2】自閉症の著者が、自らが望む支援のあり方について述べた『あるがままに自閉症です』(東田直樹)を読み、この文章に対するあなたの考えを自由に論述せよ。
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【ある人の解答例】同志社大学社会学部(2021)の小論文解答例

私はこの文章を読み、自閉症の人も含め障害者、高齢者、健常者など様々な人が、偏見や差別にとらわれないで 平等に共生できる社会を目指すことが大切だと考える。現代の日本社会には、文部科学省により、2012年に全国の公立小中学校で約5万人を対象にした調査結果で、発達障害の可能性があるとされた、児童生徒数は6.5% ということがわかっている。これはつまり、1クラスに2人程度は、発達障害の傾向があるということになる。しかし、この値は、通常学級に通う児童生徒を対象にしているため、知的障害のある子などは、データから除かれており、実際はもっと高い値の可能性がある。そう考えると、私たちの身近な例に発達障害を抱えながら、生活している人が存在するということになる。今の世の中は、障害者、高齢者など全ての人が、共生できる社会を目指して、政府が主導して取り組みが 進められているが、未だに差別や偏見が残っている。

そこで、私たちはどうして行くべきなのか、以下、具体的に述べる。まず、必要になるのは障害者の方が、生活しやすいようにするため、障害について、周りの人に理解してもらう必要がある。そのために、障害者法を制定すべきだと考える。また、いろんな障害について、どのような障害なのか分かりやすく、理解してもらうために、インターネットや本、新聞などのメディアを使う機会を設けることも必要になる。調べるということは、相手に対して知ろうとする前向きな姿勢であり、これが社会共生に近づく、一歩になると考える。さらに、自閉症という障害は、世の中に知られているが、その人が何を考えて感じているのかまで、世の中の人に理解されていない。 そこで、自閉症に関する講演会、インターネットを通じたオンラインでのお話会も必要だと考える。

以上が、私が考える共生社会を目指すにはどうすればよいかについてである。

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【アドバイス】同志社大学社会学部(2021)の小論文

1. 導入部の明確化
冒頭で取り上げている「自閉症の人も含め障害者、高齢者、健常者など様々な人が平等に共生できる社会」というテーマをさらに簡潔に、かつインパクトのある表現にするといいです。

修正案「現代社会において、自閉症の人を含む障害者、高齢者、健常者など、すべての人が偏見や差別にとらわれることなく共生できる社会を築くことが求められている。」

2. データの提示における論理性(できれば)
「1クラスに2人程度は発達障害の傾向がある」という具体的な数字を提示するのは効果的ですが、その後の「知的障害者を含めるともっと高い可能性がある」といった部分は、根拠がやや曖昧です。信頼性を高めるために、できれば、具体的なデータや調査例を追加するといいです。そうでなければ、やや表現を弱めにします。

修正案「この調査は通常学級の児童生徒を対象としているため、特別支援学級の生徒などを含めると、この割合はさらに増える可能性がある。」

3. 提案内容の整理
提案部分が多岐にわたっており、重要なポイントがやや埋もれています。第一に、第二に、など箇条書きし、段落を分けるのも1つの手です。

第一に法整備の必要性である。障害者の生活を支えるためには、障害者法の制定が必要だ。この法律は、差別や偏見を防ぐための基盤を整え、社会全体で障害についての理解を深めるものだ。
第二に情報発信の強化である。インターネットや本、新聞といったメディアを通じて、障害の特性をわかりやすく伝える取り組みを進めることが重要だ。このような情報提供は、障害に対する理解を促し、共生社会への第一歩となる。
第三に教育や啓発活動の推進だ。特に自閉症については、その特徴や本人の感じ方を正確に理解するための講演会やオンラインお話会を開催することが効果的だ。

4. 結論の補強
最後の部分を、提案内容を踏まえた希望や具体的なビジョンで締めくくることで、文章全体がより印象的になります。

修正案「以上の取り組みを通じて、私たちは障害の有無にかかわらず、すべての人が共に支え合い、生き生きと暮らせる社会を目指すことができる。この目標を実現するために、一人ひとりが関心を持ち、行動することが何より重要だ。」

5. 文法と表現の微調整
「障害者法を制定すべきだと考える」という箇所は、「障害者差別解消法」など既存の法律と混同される可能性があります。より具体的な目的に言及した表現に変更すると良いでしょう。「調べるということは、相手に対して知ろうとする前向きな姿勢であり」という表現はやや抽象的なので、具体例を加えると説得力が増します。

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【全体修正案】同志社大学社会学部(2021)の小論文

現代社会において、自閉症の人を含む障害者、高齢者、健常者など、すべての人が偏見や差別にとらわれることなく共生できる社会を築くことが求められている。文部科学省が2012年に行った調査によると、全国の公立小中学校で発達障害の可能性があるとされた児童生徒は6.5%に上る。これは1クラスに2人程度いる計算になる。この調査は通常学級の児童生徒を対象にしているため、特別支援学級の生徒などを含めると、さらに高い割合となる可能性がある。このデータからも分かるように、私たちの身近には発達障害を抱えながら生活している人が存在している。

現在の日本では、障害者や高齢者を含むすべての人が共生できる社会を目指し、政府主導でさまざまな取り組みが進められている。しかし、現実には差別や偏見が根強く残っているのも事実である。では、私たちはどのように行動すべきだろうか。以下に具体的な提案を述べる。

第一に、法整備の強化である。障害者が差別や偏見なく生活できる社会を実現するためには、障害者差別解消法や障害者基本法のさらなる拡充が必要である。これらの法律を基に、教育現場や企業において、障害者への合理的配慮を義務化し、実効性を高める仕組みを作るべきである。また、障害者支援に関わる予算の拡充も求められる。

第二に、情報発信と啓発活動の強化である。障害について社会全体の理解を深めるために、インターネットや新聞、本などのメディアを活用した情報発信が重要である。特に、自閉症を含む発達障害については、正確な情報を提供し、その特性や困難に対する具体的な対応方法を広く周知する必要がある。たとえば、動画やイラストを用いた視覚的にわかりやすい資料を作成し、学校や職場で共有することが有効である。調べるという行為そのものが、相手を理解しようとする前向きな姿勢を生み出し、共生社会への第一歩となると考える。

第三に、教育や交流の場の創出である。自閉症や発達障害についての理解をさらに深めるためには、講演会やオンラインでの対話の場を設けることが有効である。自閉症の当事者やその家族の声を直接聞くことで、一般の人々は障害の特性だけでなく、当事者が日々感じている喜びや苦労を具体的に知ることができる。また、学校教育において障害に関する授業を設け、子どもたちが幼少期から多様性への理解を深めることも重要である。このような教育を通じて、次世代を担う若者が、差別や偏見のない社会の実現に寄与することを期待したい。

以上の取り組みを通じて、すべての人が共生できる社会の実現が可能になると考える。障害者、高齢者、健常者が互いに支え合いながら生きる社会を築くためには、一人ひとりが関心を持ち、行動することが不可欠である。共生社会の実現は容易ではないが、具体的な一歩を積み重ねることで、誰もが生き生きと暮らせる未来を切り開くことができると信じる。

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