【2024年度】立教大学経営学部(自由選抜入試)小論文の解答例「頭を使って考える」です。立教大学経営学部の自由選抜入試では、単なる知識の暗記ではなく、自らの思考力や論理的な表現力が問われます。2024年度の小論文テーマ「頭を使って考える」は、まさにその本質を突いたものと言えるでしょう。ビジネスの現場においても、固定観念にとらわれず、柔軟かつ論理的に物事を考える力が求められます。本記事では、このテーマに対する解答例を提示しながら、論理的な文章構成や説得力のある主張の展開方法について考察していきます。
【問題】文章を読み、なぜこれからの時代に頭を使って考えることの重要性が一層高まると考えられるのか、文中になり具体例を用いながらあなたの自身を考えを1000文字前後で記しなさい。(2024年度立教大学経営学部自由選抜入試帰国生入試)
【ある人の解答例】頭を使って考える重要性(立教大学経営学部)
課題文の中で、筆者はネットの進歩により、「頭を使って考えること」が、より重視されるようになっていると述べている。では、なぜ考える力が重要になっているのだろうか。
まず、前提として、ネットの普及により、私たちは膨大な情報に触れている。確かに、かつてより簡単に情報が入り、社会の様々な出来事を把握できるようになったのは望ましいことである。今までは、本や新聞だけを通して、情報や知識を取り入れたが、現在は、単にSNS を通して情報を得ることが可能になった。これは、コストの削減や時間の短縮につながり、知識を積む手段としては、より効率的だと言える。
一方で、これは、情報の氾濫問題にもなる。インターネットに記載されている大量な情報の中では、全ての情報が必ずしも正確であるとは限らないのだ。監視者の注目を浴びるために、根拠のない誤った情報を載せるケース も少なくないからだ。例えば、コロナウイルスが流行っていた頃には、ワクチンに関する誤ったデマが拡散されていた。具体的には、「ワクチン接種による死亡」という情報が広まり、ワクチン接種を控える人が増えていった。ワクチンは本来、ウイルスに対する免疫に強化するために作られたものだ。しかし、この根拠のない情報により、ワクチン接種する人が減り、感染の拡散がなかなか収まらないという事態に陥ったのだ。このような傾向は、社会全体に悪影響を及ぼすため、これからの時代では、情報の真偽を見極め、的確な判断を下すための「頭を使う力」を重視していく必要がある。
さらに、AI の面でも人間の思考力が必要になっていく。AI は定期的な作業には優れているが、創造性が必要となる判断には限界がある。例えば、医療の中で、AI 膨大なデータの分析を通して、患者の健康状態や予測や治療方法を提案することができる。しかし 未知な病気が現れた場合に。それの治療法を見つけ出すことは難しいのだ。AI は、あくまでも過去のデータに基づいて動作するため、新しい概念を創造することはできないのである。そのため変化の激しい時代では、人間ならではの創造性や反逆の判断力などが必要になり、AI が模倣できない領域を解決するための「頭を使って考える力」がより重要になっていくのだ。
以上のように、激しい変化の時代には、人間唯一ある思考力を発展していくべきである。AI やインターネットが普及しているからこそ、人間の適切な判断が問われていくのだ。
添削・アドバイス(一部抜粋)
1. 文の流れと表現の修正
段落間の流れが良く、意見も整理されていますが、いくつかの表現を見直すと読みやすくなります。
例:
➀「かつてより簡単に情報が入り、社会の様々な出来事を把握できるようになったのは望ましいことである。」
→「かつてに比べ、情報が簡単に手に入るようになり、社会の出来事を迅速に把握できるようになったことは望ましい変化である。」
➁「これは、コストの削減や時間の短縮につながり、知識を積む手段としては、より効率的だと言える。」
→「これはコスト削減や時間短縮につながり、知識を得る手段として効率的と言える。」
2. 詳細な具体例の提示
AIに関する例ももう少し具体的にすると理解が深まります。
例: 「例えば、医療の分野でAIは膨大なデータを分析して患者の健康状態を評価したり、最適な治療法を提案したりするが、新しい未知の病気が出現した場合、AIには適切な治療法を見つけるのが難しい。」などと、状況を具体的に描写すると伝わりやすいです。
3. 文法の見直し
文法的な誤りや句読点の抜けがいくつかあります。以下のような細かい修正をするとスムーズな読み心地になります。
➀「インターネットに記載されている大量な情報の中では、全ての情報が必ずしも正確であるとは限らないのだ。」→「インターネット上にある膨大な情報の中には、必ずしも正確でないものも含まれている。」
➁「しかし 未知な病気が現れた場合に。それの治療法を見つけ出すことは難しいのだ。」
→「しかし、未知の病気が現れた場合には、それに適した治療法を見つけ出すことは難しい。」
4. 結論の強化
最後の段落で主張を強調するために、具体的な言葉でまとめると説得力が増します。
例: 「このように、AIやインターネットの普及に伴い、人間独自の『考える力』がますます求められる時代だ。情報の正確さを見極める判断力と、AIが追随できない創造力を磨き、社会に適切に貢献する力を育んでいく必要があるだろう。」
【全体修正案】頭を使って考える重要性
課題文の中で、筆者はインターネットの進歩により、「頭を使って考えること」がより重要になっていると述べている。では、なぜ考える力がこれほど重視されるようになったのだろうか。
まず、前提としてインターネットの普及により、私たちは膨大な情報に容易にアクセスできるようになった。かつては、本や新聞から限られた情報を得るのが一般的であったが、現在ではSNSなどを通じて瞬時に最新情報を取得できる。この変化により、私たちは社会の出来事を迅速に把握できるようになり、情報取得のコスト削減や時間短縮が可能となった点で、効率的であると言える。
一方で、この状況は情報の氾濫も招いている。インターネット上には膨大な情報があふれているが、そのすべてが必ずしも正確とは限らない。注目を集めるために根拠のない誤情報が発信されるケースも少なくない。例えば、新型コロナウイルスの流行時にはワクチンに関するデマが拡散され、「ワクチン接種による死亡」といった誤った情報が広まったことで、ワクチンを避ける人が増加した。このような根拠のない情報により接種が進まず、感染の拡大を招いたのである。このような問題が生じるため、今後は情報の真偽を見極める力と、適切な判断を下す「考える力」を重視する必要がある。
さらに、AI技術の進展においても人間の思考力が重要な役割を果たす。AIは定型的な作業には優れているが、創造性が求められる判断には限界がある。例えば、医療分野ではAIが膨大なデータを分析して患者の健康状態を評価し、治療法を提案することができる。しかし、未知の病気が出現した場合、その治療法を見つけ出すことは難しい。AIは過去のデータに基づいて動作するため、新しい概念を創造することができないからである。変化の激しい時代においては、人間特有の創造性や柔軟な判断力が求められ、AIには代替できない問題解決のための「考える力」がますます重要になるのである。
以上のように、変化が激しい現代社会においては、人間の思考力を一層発展させていく必要がある。AIやインターネットが普及しているからこそ、情報の真偽を見極め、創造性を発揮して適切な判断を下す力が問われる時代である。
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